トランプ政権下ではゴールド(金)がさらに上昇する…コモディティの専門家が予測(海外)
ゴールド価格は史上最高値に向かっていると、あるコモディティ・アナリストが指摘している。 CPMグループのジェフリー・クリスチャンは、2期目のトランプ政権が始まると、多くの投資家が安全資産に群がるだろうと考えている。 その結果、ゴールド価格は2026年までに循環的なピークに達する可能性があるという。 ドナルド・トランプ(Donald Trump)がアメリカ大統領選で勝利を収めて以来、ゴールド(金)の価格は低迷しているが、2期目のトランプ政権がどのようなものになるのかわからない点が多いことから、ゴールドは新たな高値に向かう可能性があると、コモディティ・アナリストのジェフリー・クリスチャン(Jeffrey Christian)が述べている。 コモディティの調査・分析を行うCPMグループ(CPM Group)の創業者であるクリスチャンは、ゴールド価格が2025年1月末までに史上最高値に達すると予測している。その後、数カ月間横ばいが続き、2026年までに循環的なピークに達するだろうと、最近行われた顧客向けプレゼンテーションでクリスチャンは述べている。つまり、トランプの就任初年度には、ゴールド価格が複数回の高値を記録するかもしれないということだ。 クリスチャンは、次期大統領の政策を巡る多くの不確実性によって、ゴールド価格の上昇が引き起こされると述べており、その結果、投資家は安全策としてゴールド、シルバー(銀)、米国債などの安全資産に群がると予測している。 11月20日昼頃、ゴールドは大統領選投票日以来約4%安の2649ドル前後で取引された。ただし、この下落は、ゴールドが10月末に史上最高値に達した際に、投資家が利益を確定したことによるものだろうとクリスチャンは指摘した。 彼はトランプが提案した政策について「内部的な矛盾があり、何ができるのか、まったく明確ではない」と述べ、「それはまったく新しい不確実性をもたらし、投資家を立ち止まらせることになる。彼らは不確実性が高く、経済の行く末が懸念される状況では、米ドルや米国債、ゴールドやシルバーを買う」と続けた。 エコノミストたちは、トランプの経済政策の一部が、彼が目指している結果とは逆の影響をもたらす可能性があると指摘している。例えば、輸入品に対する高率の関税はインフレを引き起こすものだという。だがトランプはこれに反論している。2017年に発足した1期目のトランプ政権で関税を導入した際には、インフレ率に大幅な上昇は見られなかった。しかし、2期目の新たな関税計画ははるかに広範なものであり、そのためインフレ予測に違いが生じているとエコノミストたちは説明している。 CPMグループは今後24カ月以内にアメリカが景気後退に陥る可能性があるとの見通しを維持している。また、トランプの経済政策が収縮的なものであれば、景気後退はさらに早まるか、より深刻になる可能性があるとしている。
Jennifer Sor