舘ひろしと柴田恭兵の“タカ&ユージ”コンビが活躍、「あぶない刑事」シリーズの過去作品を振り返る
舘ひろしと柴田恭兵が主演を務める「あぶない刑事」シリーズ。5月24日には映画「帰ってきた あぶない刑事」が公開され、初登場1位を獲得。興行収入も公開3日で3.5億円を突破するほど話題を集めている。そこで本記事では、“あぶ刑事”の愛称で親しまれている同シリーズの、これまでの作品ラインナップや見どころなどについて紹介していく。 【写真】見上げながら銃口を向ける舘ひろし“鷹山敏樹”と、柴田恭兵“大下勇次” ■長きにわたって愛される“あぶ刑事”シリーズ 「あぶない刑事」シリーズは、神奈川県・横浜市を舞台に、神奈川県警港警察署捜査課の“タカ”こと鷹山敏樹(舘ひろし)と、“ユージ”こと大下勇次(柴田恭兵)のバディが、アクションを交えながら様々な事件を解決する刑事ドラマだ。 1986年のドラマ「あぶない刑事」放送開始から高視聴率をマーク。もともと2クールだった放送予定が1年間に延長され、全51話を放送。1987年には映画「あぶない刑事」が、1988年には映画「またまたあぶない刑事」が立て続けに公開された。 その後も、続編となるドラマ「もっとあぶない刑事」(1988年)が全25話にわたって放送され、最高視聴率は26.4%を記録。それ以降も、映画「もっともあぶない刑事」(1989年)、映画「あぶない刑事リターンズ」(1996年)、TVスペシャル「あぶない刑事フォーエヴァー(1998年)、映画「あぶない刑事フォーエヴァー THE MOVIE」(1998年)、映画「まだまだあぶない刑事」(2005年)など、次々にドラマ・映画シリーズが制作され、多くのファンを獲得していった。 そして今回、前作の映画「さらば あぶない刑事」(2016年)から8年ぶりに映画が公開。昭和、平成、令和と、3つの年号をまたいだ超ロングシリーズとなっている。 本シリーズの見どころは多岐にわたるが、なんと言っても外せないのは“タカ(舘ひろし)&ユージ(柴田恭兵)”のスタイリッシュなバディだろう。細身のスーツにサングラス、バイクや車、タバコなど、このバディのスタイルは当時若者の間でブームを巻き起こした。最新映画でも、横浜のベイブリッジを2人がオープンカーに乗って登場するなど、その“ダンディ”な姿は健在である。 ■個性的なキャラが大集合、テレビドラマシリーズ第1弾「あぶない刑事」 今回は、“あぶ刑事”シリーズの中でも特に注目したい作品を3つ紹介する。まずは、すべてのシリーズのはじまりである、テレビドラマ「あぶない刑事」だ。本作は基本的に1話完結型であり、銃撃や格闘戦などの激しいアクションシーンを繰り広げながら、時にハードに、時にクールに事件を解決する様子が描かれる。 これまでの刑事ドラマの常識を覆すような、破天荒なキャラクター設定や2人のコミカルな掛け合い、ユージ走りなど、印象的なシーンや演出が多数盛り込まれている。また、「~だぜ!」や「イッツ・ショータイム!」などのトレンディな名ゼリフも誕生した。 さらに、本作に登場するキャラクターも見どころの一つで、クールで正義感の強いタカと頭の回転が速いキレ者のユージだけでなく、2人を取り巻く人物たちにも注目してほしい。 まず1人目は、ムードメーカー的な存在として登場する少年課の真山薫(浅野温子)。少々じゃじゃ馬な性格だが、少年事件のスペシャリストとして捜査課の応援にも意欲的にかかわっている。またド派手なコスプレで登場することでも知られており、そのファッション性の高さも本作の“お約束”ネタの一つだ。 そして、タカ&ユージと同じく捜査課に所属する町田透(仲村トオル)も本作に欠かせない重要な人物。ナンパや女遊びに余念のないチャラチャラとした性格で、タカ&ユージからよく“女を紹介してやる”とほだされ、良いように利用されてしまう。何度痛い目に遭っても繰り返されるコミカルなやり取りは、“あぶ刑事”における名物的なシーンとも言えるだろう。 ■激しいアクションシーンが光る「もっとあぶない刑事」 続いて紹介するのは、1988年に放送されたテレビシリーズの第2弾「もっとあぶない刑事」だ。本作では、タカ&ユージバディのスケールアップしたアクションシーンが最大の見どころとなっている。2人は普段“女好き”というキャラクター設定で軽妙なセリフや掛け合いを見せているが、事件の追撃となれば、人が変わったかのようにハードボイルドでかっこいい姿に一変する。 タカは胸に熱いものを秘めており正義感が強い“猪突猛進”タイプだが、それに比べてユージは冷静に状況を判断する“クール”タイプ。そんな2人は、それぞれ得意とするアクションにも違いがある。 例えば、タカは高度な運転技術を持つバイクの名手であり、追撃の際にはバイクに乗りながらショットガンをぶっ放す姿は、見ていて爽快感を覚える。一方のユージは犯人が車で逃走しても追いかけていくほどの俊足の持ち主。ユージが犯人を華麗に走って追いかけるシーンは、“あぶデカ”シリーズの見どころの一つだ。 こうして、“正反対”とまではいかないものの、2人それぞれのキャラとアクションスタイルは、本作を通して確立していった。 ■シリーズ通しての悪役・銀星会と決着をつける映画「もっともあぶない刑事」 最後に紹介するのは、1989年に公開された劇場版の第3作「もっともあぶない刑事」だ。本作では、タカ&ユージが暴力団・銀星会の幹部が運営する銃器の密造工場に潜入するのだが、主犯格を取り逃してしまう。麻薬の密輸や賭博などの悪事をはたらく前尾(柄本明)の指示だと睨んだ2人は銀星会に乗り込むものの、結果は空振り…。失態を犯した2人は事件の担当を外され、残り4日で時効を迎える殺人事件を担当することになり――といった内容が描かれる。 テレビシリーズ当初からの宿敵である、暴力団・銀星会との決着がつく本作。その中で繰り広げられる銀星会の面々との激しい銃撃戦や、次々と車両を変えながら複数のパトカーから逃げ回るカーアクションなど、息を飲むようなアクションシーンも目白押しだ。 そしてついに銀星会との決着がついた後、タカ&ユージはいつものようにふざけ合うのだが、これがアクションシーンとの“ギャップ”を生み出し、何ともかっこいいシーンとなっている。 そんな見どころ満載の「あぶない刑事」シリーズ全過去作品を、動画配信サービス・Hulu内の「あぶない刑事チャンネル」にて見放題配信中。最新作とはまたひと味違った、タカ&ユージの魅力に触れられるかもしれない。