斎藤前知事再選で…主戦場はSNSに変化 投票行動に大きな影響
TVOテレビ大阪
17日投開票が行われた兵庫県知事選挙。当初接戦が予想されていましたが、結果は斎藤前知事の圧勝。勝利の背景には選挙で新たな主戦場となった”SNS”の存在がありました。 【斎藤元彦前知事】「選挙戦1人からのスタートだった ここまで大きく広がるとは思っていなかった」 斎藤元彦前知事がパワハラ疑惑などで県議会から不信任決議を受け失職したことで行われた今回の知事選。過去最多の7人が立候補しましたが、無所属で出馬した斎藤氏が再選を果たしました。 当初苦戦が予想されていた斎藤氏が前尼崎市長の稲村和美氏に14万票近くの差を付けて勝利したのには、SNSの存在が大きいと見られています。SNS上では「#さいとう元知事がんばれ」といったハッシュタグがつけられた投稿が相次ぎ、斎藤氏自身も「SNSは大きな力だった」と振り返ります。 【斎藤前知事】「SNSは今回の選挙戦においては大きなポイントだった。草の根的にいろんな方が自分で制作を整理して拡散してもらったことも重要だった」 有権者もSNS上の情報を参考に投票行動を決めたといいます。 総務省の調査によると、10代~30代の休日のネット利用時間は3時間を超え、特に10代は5時間を超えており、テレビのリアルタイム視聴の5倍となっています。いまSNSは10代~30代の若年層を獲得するには不可欠のツールとなっており、日本経済新聞社などが実施した出口調査では、10~30代の斎藤氏への投票数は稲村氏の3倍となりました。 現代政治分析が専門の法政大学・白鳥浩教授は、今回の知事選や総選挙などの選挙は、コロナ禍を経て様相が変わりつつあると指摘します。 【法政大学 白鳥浩教授】「リモート授業やワークが一般的に行われるようになった。今度はリモート民主主義、どこにいてもアクセスできる選挙活動が大きな影響を与えていった。これからの選挙はSNSを制したものが制する」 また、SNSは今回の選挙で斎藤氏VS既得権益といった対立構造を作り出し、それが選挙結果に影響したと指摘します。 「対立構造を非常に簡単に作られてしまった。従来の劇場型政治に落とし込み、説得力を持たせるためにSNSで情報で量で圧倒する」 ただ、今回の選挙に関してSNS上では誤った情報も拡散されており、稲村氏は自身のHPで誤った情報を否定するコメントを掲載しました。今回の選挙の発端となった斎藤氏のパワハラ疑惑に関しては、18日も県議会の百条委員会が開かれ調査が続けられており、斎藤氏は「真摯に対応していく」と述べています。
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