小泉今日子ら豪華スターと共演 日本昭和ポップスブームの先駆者 韓国のNight Tempoとは
■Night Tempo 音楽のルーツ
昭和の名曲たちを、聴く人の世代を問わず愛される楽曲に再構築しているNight Tempoさんですが、出身は韓国。どのようにして日本の楽曲に親しみ、自身の音楽スタイルに取り入れることになったのか。Night Tempoさんの音楽のルーツを伺いました。 ――Night Tempoさんは、どのようなきっかけで、日本の楽曲に親しむようになったんですか? 80年後半生まれなんですけど、日本の音楽はもともと幼い頃から好きで、自分が生まれた時の音楽を90年代に聴いていました。当時は、言葉も何も分からず、日本と韓国の交流があんまりなかったんですよね。その後で日本の文化が韓国に入るようになって、どの人がどういうものをやっている人なのか、もっと興味を持つようになりました。だから、日本の音楽はなじみがあるし、昔のものというより、自分の青春のタイムリーだった曲です。 ――その興味を持ち始めた頃、衝撃を受けた日本の曲はどんな楽曲ですか? 日本の曲がいいなと気づいた曲は、中山美穂さんの『CATCH ME』。角松敏生さんがプロデュースしていて、自分の音楽性も、角松さんの80年代後半の音楽性にすごく影響されています。他にも、世界で活躍するダフト・パンクとかの音楽も聴いてきたので、それを融合して今いろんなものを試しています。
■日本の楽曲を“サンプリング”する難しさ
Night Tempoさんの音楽活動は、7~8年前から趣味としてスタート。別の仕事をしながらネット上にアップしていたところ、現在の音楽活動につながっていったといいます。 ――既存の曲をリエディット(再編集)する時、どのような作業をされているのですか? 元のものを切って再配置するってことで新しさが生まれたり、フィルターをかけたり。いろんな仕組みで作っていて、たまにいただいたマルチトラック素材を再配置して、自分が追加で入れたいシンセサイザーを入れ込んで作っています。
――Night Tempoさんの楽曲に、日本のファンも盛り上がっていますが、どんな心境ですか? すごく不思議だなって思っていて。もともと日本には、“サンプリング文化”に対して、昔のものに手を出すことがちょっとまずい、気まずいっていうイメージがあったので、そこを変えていくのがすごく大変でした。今では逆に、例えば小泉今日子さんから「(一緒に音楽制作を)やりませんか?」とお話をいただいて、いい時代になっていくのかなと思っています。