アルトコイン暴落のなか、ビットコインドミナンスは3年ぶりの高水準に近づく
地政学的混乱と米ドル急騰のなかで、より小規模な暗号資産(仮想通貨)が暴落する一方、ビットコイン(BTC)は3日、6万ドルの水準を上回って再び不安定な動きを見せた。 ビットコインは、2日の6万ドルを割る非常に短時間の下落から、アジア取引時間中に6万1500ドルまで反発したが、欧州と米国の取引時間中に下落に転じた。世界最大の暗号資産は最近6万700ドル前後で取引され、過去24時間で1%上昇した。 一方、広範な暗号資産市場のベンチマークであるCoinDesk 20 Index(CD20)は同期間に1.5%下落し、ビットコインと比較して他のデジタル資産市場の弱さを示した。イーサリアム(ETH)は1%下落し、リップル(Ripple)のエックス・アール・ピー(XRP)、ソラナ(SOL)、アバランチ(AVAX)、レンダートークン(RNDR)はアルトコインの主要銘柄のなかで損失を主導した。 注目すべきアウトパフォーマーは、レイヤー1ブロックチェーン「アプトス(Aptos)」のネイティブトークンのアプトス(APT)で、この日は7%上昇。フランクリン・テンプルトン(Franklin Templeton)がトークン化されたマネー・マーケット・ファンド(MMF)をこのブロックチェーンに拡大するという2日のニュースは、今回のアウトパフォームの理由である可能性がある一方、類似した競合ネットワーク「スイ(Sui)」のネイティブトークン、スイ(SUI)が1カ月で110%上昇したことによって得た利益の一部をトレーダーが移動させたと推測するオブザーバーもいる。 ビットコインがより広範な市場を上回るパフォーマンスとなったことで、暗号資産市場全体の時価総額に占めるビットコインのシェア(ビットコインドミナンスとも呼ばれる)は58%超えまで上昇し、一方でETH/BTCレシオ(イーサリアムのビットコインに対する価格比率)は9月中旬の谷である0.038付近まで低下した。 「ビットコインドミナンスは引き続き上昇傾向にあり、3年ぶりの高水準まであと0.2%に迫っている」とCoinDeskのシニアアナリスト、ジェームス・ヴァン・ストラテン(James Van Straten)氏は述べた。