「増税リスク」「経済政策が弱い」自民・石破茂新総裁の実力をジャーナリスト3人が斬る
「ぜひその実行力、決断力、政策力をもって強力な内閣をつくって」 9月27日におこなわれた自民党総裁選で選出された“後任”に向け、岸田文雄首相は期待を込めてメッセージを送った。 【写真あり】石破茂新総裁の“極秘BBQ写真” 「先月、岸田首相が総裁選に不出馬を決めると、“新首相”を決めるレースとして世間から注目されてきました。第一回投票では高市早苗氏が首位で通過したものの、得票数は過半数に届かなかったため、2位で通過した石破茂元幹事長と決選投票で争いました。決選投票では194票の高市氏に対し215票の石破氏が上回り、自民党の新総裁に石破茂氏が選出されました。10月1日召集の臨時国会で、第102代首相に選出される予定です」(政治担当記者) 今回の総裁選は派閥の解散や候補者の大量擁立など、異例ずくめであったが、無事選出された石破氏。予定通り首相に選ばれるとどうなるのか……。 「石破氏の場合は、党内基盤が非常に脆弱ですから、やろうと思ってもやれることに限界がある」 そのように早くも不安を感じているのは、政治アナリスト・伊藤惇夫氏だ。石破氏の“弱点”とはなんだろうか? 「石破氏は外交・安全保障はそれなりのプロですけど、経済政策が弱いと言われています。経済がよくわかってないんじゃないかと。今後の経済政策は岸田路線を継承すると言っているけど、それだけで日本経済が復活するとは思えない」(伊藤氏) ただ、「石破氏の岸田踏襲には裏がある」と語るのは、情報誌『インサイドライン』編集長・歳川隆雄氏だ。 「石破氏は当初、金融所得課税の強化を主張していたんです。ただ、決選投票で岸田票もほしいため、少しずつ表現を和らげて軌道修正していましたね。石破氏はもともと経済が不得手だから、岸田総理が築いた金融財政政策や資産運用立国といった路線を継承しますと言っているわけです」 そんな石破氏の外交政策についてはどうか? 「石破氏は『アジア版NATO構想』、そして日米地位協定見直しを主張しています。中国やロシアとせめぎ合う今、アメリカを刺激するのはとんでもない」(同前) そして、石破氏の“人望のなさ”を指摘する。 「石破氏には、今周囲に人材がいないんです。石破総理が実現したときには、本来、小泉進次郎内閣ができたときに指名されると言われていた斎藤健氏が官房長官になるでしょう。 幹事長は誰になるか? おそらく幹事長を進次郎氏にしますよ。やっぱり、立憲民主党の代表が野田佳彦氏になったことは無視できないんです。総選挙になった場合、穏健保守や保守中道連合など自民党員じゃない保守的な層の票が立民に流れる可能性がある。ここで進次郎を幹事長に据えればそれらの層の票を確保でき、自民党が負けることはないと思います」(同前) 元朝日新聞政治部デスク・鮫島浩氏は石破氏選出についてどう考えるのか。 「石破氏が首相になれば、最大の懸念は“増税リスク”でしょうね。政権が強くなれば、消費税増税もあり得ます。短期的には金融所得課税の強化を言っているから、株式市場には不人気ですね。岸田首相が当初、『分配重視で金融所得課税の強化を打ち出し、それで株価が落ちました。岸田首相は信念がないから、あわてて軌道修正して『投資重視』に舵を切りましたが、石破氏は岸田首相と異なり信念があって曲げないので、そういう意味では警戒感が強まり、増税しなくても株式市場に下げ圧力がかかるでしょう」 そんな石破氏は、じつは立憲民主党との繋がりが強いという。 「石破氏の政策は、非常に立憲民主党に近いんです。もともと石破氏は、立憲時代の前原誠二氏や野田佳彦氏と安保・防衛政策などで一緒にやってきたため立憲との関係は良好で、野党陣営にも知り合いがたくさんいる。 経済政策的にも野田氏と似ているところがあり、財政は真面目に緊縮で行きましょうと。石破氏自身は自民党内での基盤が弱いので、野党との連携を政権を回すテコにしようと考えていると思うんです。党内で不人気な分、野党に協力を求めるでしょう」 新首相にはこれ以上国民に負担を課すことなく、経済回復に努めてほしい。
【関連記事】
- 【写真あり】自民新総裁に石破茂氏!佳子夫人は “慶大卒のモテ美女” として有名も…最後までためらっていたファーストレディという重責
- 【写真あり】岸田首相の “本命候補” は石破茂氏!麻生・菅「2大キングメーカー」の排除を狙う策略とは
- 【写真あり】「総裁になる気がない」石破茂氏「投資への課税強化」発言で突如吹き荒れる大逆風…100兆円吹っ飛ばした岸田首相の二の舞か
- 【写真あり】「修正というより後退」石破茂氏 相次ぐ「軌道修正」「前言撤回」に国民ガッカリ…「出馬表明の場所」「裏金議員」についで経済政策でも
- 【写真あり】石破茂氏が明かす安倍晋三氏との「決定的な決裂」入閣拒否で憲政史上最長の首相は「だったら…」と声を荒らげた