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（ブルームバーグ）： 日本最大の労働組合の全国組織である連合は18日、2025年春闘の闘争方針策定に向けた基本構想で「５％以上」の賃上げを目指す方針を発表した。33年ぶり高水準の賃上げを実現した24年と同じ水準で、日本銀行の金融政策の正常化を後押しする賃金上昇の流れが定着するかが最大の焦点となる。

連合は、基本給を引き上げるベースアップ（ベア）相当分を３％以上、年齢や勤務年数などに応じた定期昇給分を含めて５％以上の賃上げを要求し、賃金底上げの実現に取り組む。中小の労組については企業規模による格差是正分を加え、６％以上の賃上げを要求する。

連合の芳野友子会長は記者会見で、「５％以上の賃上げを今後も着実に継続してつなげていくことが非常に大事だ」と表明。数字上は24年春闘の目標と同じであるものの、各企業の経営状況に応じて今年を「上回るような要求を設定していただければいい」と語った。

賃上げの勢いが来年も続くかどうかは、追加利上げの時期を探る日銀にとって重要な判断材料となる。今年３月に17年ぶりの利上げに踏み切った植田和男総裁は、賃金と物価の好循環を見極める上で春闘が「大きな材料になった」と説明していた。総選挙を目前に控える石破茂首相にとっては、賃金上昇と物価高対策のかじ取り次第で政権の行方が左右されることもあり得る。

三菱ＵＦＪリサーチ＆コンサルティングの小林真一郎主席研究員は、「最終的に有権者や消費者が求めてるものは生活の安定だ」と指摘。賃金の上昇と安定した物価の達成をうまくバランスした上で、「国民生活が豊かになるという公約を掲げ、実現することが消費者の立場としては望ましい」と語った。

24年春闘について「ステージ転換」に向けた大きな一歩を踏み出したと総括した連合は、25年春闘で「すべての働く人の持続的な生活向上をはかり、新たなステージをわが国に定着させる」ことを目指す。

芳野会長は、24年に大手企業と中小の格差が広がった反省を踏まえ、「2025年春闘では中小・小規模事業者の底上げに力を入れていきたい」とし、達成に向けては労務費を含めた価格転嫁の重要性を強調した。さらに、総選挙後の石破首相との面会や、09年６月を最後に開催されていない政労会見を含め、政労使の緊密な連携を通じて目標の実現を目指したいとの考えを示した。