金沢U-18 、新1年生が6人先発 1-1で浦和南とドロー
第43回浦和カップ高校サッカーフェスティバル第2日は3月30日、前日に続いて予選グループリーグが行われ、各組の順位が決まった。 【フォトギャラリー】浦和南vs ツエーゲン金沢U-18 大会は24チームを4組に分けて予選グループリーグを2日間実施し、各チームが4試合ずつ戦って順位を競った。最終日の3月31日に決勝や3位決定戦などを行う。大会には昨年と同じ顔触れの強豪24チームが参加。参加チームのうち今年度の第102回全国高校選手権出場校は、昨夏のインターハイで初優勝した明秀日立(茨城)だけだが、インターハイ代表の國學院久我山(東京)をはじめ、名だたる名門が集まった。プレミアリーグEASTからは大宮アルディージャU18が参陣し、プリンスリーグ勢は関東1部の浦和レッドダイヤモンズユースと健大高崎(群馬)、北海道は旭川実、東北が聖和学園(宮城)、北信越1部は日本文理(新潟)とツエーゲン金沢U-18(石川)が参加した。 初日に2連勝したツエーゲン金沢は、2引き分けのホストチーム、浦和南と対戦し1-1で引き分けた。新1年生が6人先発したツエーゲン金沢は、4-2-3-1の陣形からマイボールを大事に扱い、外から丹念に攻撃した。左SB松本秀斗(2年)が旺盛に攻め上がり、左MF野田和空(1年)も積極的に敵陣への進入にチャレンジした。 2月の新人大会でベスト4入りした浦和南は、エースFW掛谷羽空やMF小原一心、CB西村宗貴(以上3年)といった主力の大半が先発メンバーに名を連ねた。前半は浦和南がやや優勢に試合を進めたものの、両チームとも決定的な得点チャンスはほとんどなかった。浦和南は15分、左SB美島薫(3年)がゴール正面22メートル付近から放ったシュートが、唯一惜しい一撃だった。前日の豪雨と強風による悪天候から打って変わり、グラウンド状態が良かっただけに互いに技術の高さを発揮できた試合となり、ボールサイドの激しい攻防も見応えがあった。 先手を取ったのは浦和南。後半2分、右SB小林大悟(3年)が左CKのボールをファーポストへ送ると、西村が打点の高いヘディングシュートをたたき込んだ。同点にされた1分後には美島の左クロスを掛谷がうまく合わせたが、わずかに右に外れて勝ち越し点とはならなかった。 1点を追うツエーゲン金沢は17分、MF大野翔太郎(3年)の右クロスからCB米田樹(2年)が同点ヘッドを決めて振り出しに戻した。終了間際の24分には大野が強烈なミドルシュートを放ったが、相手GK宮川真一(2年)のビッグセーブに阻まれ、惜しくも加点できなかった。3試合を終えてツエーゲン金沢が2勝1分、浦和南が3分となった。 母校に戻って4月で12年目を迎えるベテランの浦和南・野崎正治監督は、「浦和カップは本格的なシーズン到来に向け、最後の仕上げをする大会。遠方から好チームに来てもらって感謝しています」と述べる。相手の齋藤将基監督は浦和東時代の教え子で、全国高校選手権3度目の出場で初勝利を挙げた時の主将でプレーメーカーだった。「何事にも物おじせず、プレーでチームを引っ張るタイプの選手でした。プロにもなり、こうしてJリーグのアカデミーで監督を務めるのだから大したものです」と褒めたたえた。その斎藤監督もまた野崎監督をリスペクトする。「今の時代、公立校にはなかなか好素材が集まらず、勝つことも難しいと思いますが、先生はいい結果を出している。自分も指導者として見習いたい」と高校時代の恩師を敬慕した。 (文・写真=河野正)