善光寺で長野高専生がプロジェクションマッピング 灯明まつりに合わせ
THE PAGE
長野市の善光寺を中心に12日まで開催された「長野灯明まつり」で11日夜、地元の長野高専の学生たちがコンピューター映像を投影するプロジェクションマッピングの作品を同寺境内の経蔵(きょうぞう=経典を収蔵する建物)で公開、1000人近い参観者でにぎわいました。
重要文化財「経蔵」に映し出す
灯明まつりの実行委員会が初めて企画し、高専の学生たちに制作を依頼。四季を表現する動画が夜の善光寺境内に幻想的な光を広げ、灯明まつりを新趣向で盛り上げました。 プロジェクションマッピングは、コンピューターで制作した映像をプロジェクターで建物などに投影します。学生たちは趣味で映像を制作した経験のある6人で、高専によると手探りで「春夏秋冬」のテーマで動画作りに取り組み、光や音で日本らしい情景を映し出すことを目指しました。 午後6時から経蔵に映し出された動画は雪や桜の花などを表現し、映像に合わせた音楽も。花咲く春から夏、大きな月が出る秋、雪の降る冬へと動画が移り変わり、歴史的な経蔵の建物を彩ります。光と音の広がりが静かに消えていくと参観者から拍手が送られました。 善光寺によると経蔵は1759(宝暦9)年建立の経堂で国の重要文化財。内部中央にある八角の輪蔵(回転式の棚)に仏教経典を網羅した一切経を収蔵し、輪蔵に付いている腕木を押して回すことで一切経をすべて読んだことと同じ功徳が得られるとされています。2014(平成26)年から昨年9月にかけて保存修理工事を行い、経蔵の拝観が再開されています。
---------------------------------- ■高越良一(たかごし・りょういち) 信濃毎日新聞記者・編集者、長野市民新聞編集者からライター。この間2年地元TVでニュース解説