「女の子らしく」「私には無理」…無意識の言動に紛れている“アンコンシャスバイアス”に潜むリスクとは?
「私たちは、何かを見たり聞いたりした時に無意識に『こうだ』と思い込むことがある。それがアンコンシャスバイアスだ」 【映像】あなたは大丈夫? アンコンシャスバイアスチェックリスト そう話すのはアンコンシャスバイアス研究所の守屋智敬代表理事。無意識の思い込みである「アンコンシャスバイアス」は生活の至るところに潜んでいる。 「例えば『ニンジン』と聞くとオレンジ色が浮かぶものだが、実際には白色・黄色・黒色など様々な色がある。また、『このファンデーションは男性でもご利用いただけます』という言葉には“ファンデーションは女性だけが使うもの”という思い込みがある」 守屋氏によると、今まで教えられてきたことや体験から生じるアンコンシャスバイアスはさまざまな問題の原因にもなっているという。 「例えば人権侵害に当たるような問題を起こしたり、『これくらい大丈夫だろう』という思い込みが行き過ぎた行動に至ってしまうこともある。また、自身に対しても『これは無理だ』などと思い込んでいると自分のこれからの成長やキャリアを狭めてしまうことも。さらに、災害時に逃げるようアナウンスされても『私は大丈夫』『この地域は大丈夫』などと思い込んでしまうリスクもある」
守屋氏はこうしたアンコンシャスバイアスを取り除くためには子どものころからの環境が重要になってくるという。 「周りにいる大人たちが『もっと女の子らしく』などと言動で伝えてしまうと子どもたちも影響されてしまう。周囲が決めつけていないか意識することで子どもたちが成長できる環境を整えられるのでは」 とはいえ、「思い込み」が原因であるため、アンコンシャスバイアスをなくすことは難しい。守屋さんは「なくすことよりも考えることが大事」だと語った。 「私たちは『アンコン』と略して『これってアンコンかな?』などと日頃から合言葉のようにと振り返るようにしている。そんな合言葉を作ることも効果的だろう。例えば、会話の中で『普通そうでしょ』と言ってしまったら『ごめん。今のはアンコンかもしれない。普通って何だろうね?』となどと、時折自分の言動を振り返ってコミュニケーションをとることで変わってくるだろう」 アンコンシャスバイアスについて、シンガポールの大学院に通った経験がある村上財団・代表理事の村上フレンツェル玲氏は「私が通った大学院には約50カ国の生徒がいた。もし、『この国の人はこんな傾向があるからこう対応しよう』などとコミュニケーションをとったら差別につながる危険性もある。大学院には『アンコンシャスバイアスは全ての人が持っているので、常に意識しよう』などと指導する授業もあったくらいだ」と振り返った。 (『ABEMAヒルズ』より)