東芝の株式非公開化から1年 「経営改革の効果も」と池谷副社長 来年度以降は成長戦略も
パワー半導体は大規模な投資を行う欧米勢が強く、国内勢は1社の規模が小さいため、経済産業省は連携を促している。国内再編について、池谷氏は「世界のトッププレーヤーと比べて、(東芝の)利益率は低い。何らかの連携は必要になる」との考えを示した。
東芝はJIPを通じて、半導体・電子部品のロームと業務提携について協議している。池谷氏は「両社の企業価値の向上にプラスになるなら、さらなる連携も考えられる。まだ何も決まっていない」と述べた。
東芝のメモリー事業を前身とするキオクシアホールディングスが18日に新規上場した。東芝は株式を約30%保有している。キオクシアについて、池谷氏は「東芝が持つ技術や知見を提供し、企業価値を高めることが重要と考えている」と話した。
15年に不正会計問題が発覚した東芝は米原子力発電子会社で巨額損失を計上し、事業を相次いで売却。債務超過を回避するため、増資を実施した結果、アクティビスト(物言う株主)が引受先となり、経営の混迷が続いた。23年に投資ファンドの日本産業パートナーズ(JIP)陣営が買収し、昨年12月に非公開化した。現在はJIP主導で経営再建を進めている。(黄金崎元)