全村避難、休校…苦難乗り越え150周年 福島県の葛尾小が式典 児童、記念の「翔舞」を披露
葛尾小の創立150周年記念式典は12日、福島県葛尾村の校内で行われた。児童や村関係者が節目を祝い、伝統をつないでいく決意を新たにした。 全校児童17人や教職員、保護者ら合わせて約120人が出席した。記念事業実行委員長を務める松本敦子PTA会長が「これからも地域、保護者の皆さんと一緒に学校を守り育てていきたい」とあいさつした。星輝伸校長が「今後も地域に根ざし、地域と共に歩む学校として教育活動を行っていく」と誓った。 松本忠孝村教育長が少人数ならではの特色ある教育を推進していく考えを語った。篠木弘村長、吉田義則村議会議長が祝辞を贈った。 東京電力福島第1原発事故に伴い、村民の避難先となった三春町の滝桜の子孫木が記念樹として贈呈された。町内の中郷小の児童が育て、葛尾小の子どもたちに手渡した。 記念コンサートでは音楽ユニット「So―Tomo」が美しい歌声、ピアノ演奏で会場を包んだ。児童全員が記念の舞「翔舞」を披露し、古里のさらなる復興や発展を願い、力強い踊りを届けた。
葛尾小は1874(明治7)年、野川小として開校。1947(昭和22)年から現在の校名になった。原発事故による全村避難により、一時休校を余儀なくされたが、2013(平成25)年に三春町の旧要田中に仮校舎を置いて再開した。2018年4月に学校を村内に戻した。 (相双版)