国道249号の復旧工事、能登半島北部の2か所で始まる…地震で隆起した海岸も活用
能登半島地震の影響で寸断されている国道249号の復旧工事が今月から、半島北部の沿岸2か所で始まった。工事が終われば、海沿いのルートで石川県輪島市と珠洲市を直接往来できるようになる。一部の場所は隆起した海岸に道を新設する手法を取り入れ、早期の復旧を目指す。 【動画】能登半島地震ルポ・記者が見た被災地
国土交通省能登復興事務所によると、国道249号の沿岸部は、輪島市町野地区の大川浜周辺と珠洲市の逢坂トンネルの2か所で大規模な土砂崩れが発生。それぞれ、約2・8キロ、約1・7キロにわたって通行止めとなっている。
復旧工事では、元々の国道だけでなく別ルートにも道路を通し、地震によって隆起した海岸も活用するという。工事の完了時期は未定で、開通後しばらくの間は緊急車両などに通行が限られる可能性があるという。
同事務所の担当者は「迂回(うかい)する時間を別のことに使えれば復旧、復興が加速する。少しでも早く道を通せるよう工事を進めたい」と話している。
国道249号は今回着工した2か所を含めた計5か所で大きく損壊した。このうち、輪島市野田町の土砂崩れ現場は5月初旬、海岸沿いに道を新設して通行止めを解除。輪島市街地と同市門前地区を結ぶ中屋トンネルも今月復旧工事が始まった。珠洲市街地と半島北部を結ぶ大谷トンネル付近は、地滑りの懸念があるとして、本格的な工事には着手できていない。