石坂浩二、小泉今日子ファーストコンサートの演出をしていた。40年の月日経て『海の沈黙』夫婦役に
御年83歳。NHK大河ドラマに、“大型時代劇”と呼ばれた第1作『花の生涯』から、これまで主演を含めて、実に11作に出演してきた石坂浩二。来年は、『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』で12作目の出演を果たす。今年は映画も2本公開。趣味の広さや博識な姿で、俳優業以外でも知られ、「芸能界に石坂浩二あり」の存在だ。そんな大ベテラン・石坂さんのTHE CHANGEとは──。【第1回/全4回】 ■【画像】石坂浩二が演出を手掛けた、ファーストコンサート当時のキョンキョン! 「たぶん、ご存じないと思うんですけど、私、小泉今日子さんのファーストコンサートの演出をやってるんです。台本も書きました」 新作映画『海の沈黙』で、世界的画家・田村修三を演じ、小泉今日子さん演じる安奈と夫婦役を務めている石坂さん。そのことに触れた途端、いきなり冒頭の驚きのエピソードが飛び出した。 ──そうなんですか!? 「小泉今日子さんの大ファンの方が書いている、彼女の歴史みたいなものの“コンサート一覧”を見ると、その第1回目のコンサートの演出が私ですよ。デビューから1年くらいのときです」 ※小泉さんのデビューは1982年。「花の82年組」と呼ばれ、中森明菜、松本伊代、堀ちえみ、三田寛子、早見優、石川秀美、シブがき隊などの同期がいた。敬称略。 石坂さんプロデュースによる「消しゴムのない手紙」と題された小泉さんのファーストコンサートは1983年に全国4会場で開催された。 「デビューから1年くらいのときで、まだ今日子ちゃんは持ち歌がほとんどなかったんです。それで“どうしましょう”となって、結局、彼女の希望も聞きながら、アメリカの歌を3つか4つ歌うことになったんです。まだ家にテープが残っていると思いますよ。翻訳も私がしまして」
当時は舞台演出や脚本まで手掛けていた
なぜ石坂さんが? と、いまの世代は疑問が沸くが、石坂さんは劇団四季の創設者のひとりである演出家・浅利慶太さんにスカウトされて1967年に劇団四季に入団。演出部に所属して、演出助手を務めた。その後、両立していた俳優業が多忙を極め、劇団四季を退団したが、1972年ごろまでNHK教育の子供向け番組の脚本を手掛けるなど、舞台演出や脚本執筆経験が豊富。 ──そうなんですね。それから約40年たって、夫婦役とは。 「感慨深いですよ。それからずっと会っていませんでしたから」 ──ずっとお会いしていなかったんですか!? 「会ってなかったんですよ。今回の『海の沈黙』でも、私は(妻とは)別に相手がいる感じの役ですからね。共演シーンってなかったんですよね」 ──小泉さんが奥さま役だと聞いたときは、率直にいかがでしたか? 「月日の流れの恐ろしさを感じましたよ。どうせだったらもっと会うシーンが欲しかったよね」 ──せっかくなので、当時の小泉さんの印象をもう少し。 「可哀そうなくらい忙しそうでしたね。だから打ち合わせのためにもらった時間も“寝ていいよ”と言って。そしたら素直に寝てましたね。本当に忙しいし、時間がなかったですから。曲の間のしゃべりの台本も私が書いたんですけど、キョンキョンはビシ! っとやってね、ビックリしましたよ」 そんな縁のあるおふたりだったとは。こちらこそビックリだ。 いしざか・こうじ 1941年6月20日東京都生まれ。慶應大学在学中の1962年にテレビドラマ『七人の刑事』(TBS)でデビューし、卒業後に劇団四季に入団する。TBSテレビのプロデューサー、石井ふく子に見いだされる。NHK大河ドラマに『天と地と』『元禄太平記』『草燃える』3作品で主演。2025年『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』で大河ドラマ12作目の出演が決定している。市川崑監督とのコンビでもよく知られており、特に『犬神家の一族』(1976)の金田一耕助役は高い人気を誇る。近年では倉本聰脚本による主演ドラマ『やすらぎの郷』(テレ朝系)が好評を博した。ほか近年の主な出演作に、ドラマ『相棒』(テレ朝系)シリーズ、『ブラックペアン シーズン2』(TBS系)、映画『変な家』(2024)、最新作に『海の沈黙』。 望月ふみ
望月ふみ
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