父親が突然死、母親はガンに… それでも奨学金は“不採用” 「学ぶことをあきらめてしまう人が多く存在する」あしなが奨学金の現状
学ぶことを経済的な理由であきらめたくない…。そんな子どもたちをサポートするのが奨学金です。日本学生支援機構の調査によりますと、昼間、大学に通う学生の55%が受け取っているそうなんです。ニーズが高まる奨学金の現状を取材しました。 【写真を見る】父親が突然死、母親はガンに… それでも奨学金は“不採用” 「学ぶことをあきらめてしまう人が多く存在する」あしなが奨学金の現状 ■あしなが奨学金って? 奨学金の1つが、親が亡くなるなどした高校生や学生を対象とした「あしなが奨学金」。あしなが育英会によりますと、愛媛県内でも現在120人が受給しているということです(2024年3月現在) 。奨学金の8割は、募金など個人からの寄付でまかなわれているといいます。 あしなが奨学生の1人、松山大学3年の石脇茉青(まお)さんです。松山生まれの石脇さんは、建築業を営む両親と3歳下の妹と何不自由ない暮らしを送っていましたが、小学3年生のとき、一変しました。 ■父が突然の他界 母はパートの掛け持ちで家計支えるも… 父・誠さんが、仕事中に心筋梗塞を発症し、突然の他界。母・弓加さんがパートの掛け持ちで家計を支えてきましたが、生活は苦しかったといいます。 母・弓加さん 「全く収入が無い状態になったので、そこからパートを探しながら、小さな子どもを連れてきてもいい職場があったのでそこで面倒をみてもらうことになりました」 ―――何が大変だった? 「やっぱり学費ですかね。この子が学びたいというのに、学ばせてあげられない状況を作っていたので…」 茉青さん 「私が進学したいと思っているけど、それに伴い母親もしんどくなってしまう、いっぱい働かなければいけなくなってしまう状況を作ってしまうことが大丈夫なのかなと、心配が大きくなりました」 ■高校進学迷う中… 進学を叶えた奨学金の存在 石脇さんが高校進学を迷っていた中、母・弓加さんが「あしなが奨学金」の存在を知り申請。合わせて毎月5万円の貸し付けと給付が受けられる、当時の奨学金に無事採用され、高校そして大学への進学も果たしました。 妹の璃子さんも、あしなが奨学金で毎月3万円の給付を受け、高校に通っています。