俳優・ピアニストの松下奈緒。40代手前に思う「夢は言葉に出すことで叶えられる」
3歳からピアノを始め、音楽大学に進学し常にピアノとともに生きてきた松下奈緒さん。俳優としても多くのドラマや映画に出演し、番組のMCも担当するなど活動の幅を広げてきました。主演する映画『風の奏の君へ』では演奏や作曲も手掛けます。これからどう年齢を重ねていきたいのでしょうか。聞いてみました。 【画像】撮り下ろし写真(松下奈緒)
ピアノは空気のよう
――3歳からピアノを続けています。松下さんにとってピアノはどんな存在なのでしょうか? 松下奈緒さん(以下:松下): ピアノは私にとって、もはや空気のような存在です。俳優になる前はピアノ一筋で、ずっと音楽に囲まれて生活していました。何の根拠もなく、自分は音楽の道に進むんだという夢を持って、ずっと一緒に歩んできました。ピアノが何か言葉を発するわけではありませんが、常にそばにいてくれるという安心感があります。 ――これまで、「やめたい」と思ったことはなかったのでしょうか? 松下: 子どもの頃は、みんなが部活をしている中で私は家に帰ってピアノを弾いていましたので、何度もやめたいと思いました。でも、「やめて何をするの?」と考えたら、やっぱり私にはピアノしかないと思ったんです。わりと早い段階で気づきました。だから、自分に何もなくなるのが怖くて、やめられなかったというのもあります。 子どもの頃はピアノを好きな時もあれば嫌いになる時もありましたが、やめなかったから今があります。そう思うと、続けてきたのはいい選択だったな、と。誰かに言われたわけではなく、自分で決めたからこそ、続けてこられたのだと思います。 ――ピアノ一筋の生活に、俳優の仕事も加わりました。 松下: 子どもの頃から好きだった音楽と演技を両方やっていきたいと思ってきて、それが叶ったのが今の状態です。俳優と音楽、両方をやっていくには物理的な時間の問題など、大変さはあります。でも、今回の映画『風の奏の君へ』のように、俳優と同時に作曲や演奏にも携わらせていただけたのは両方をやってきたからこそだと思います。 20年くらい音楽とお芝居をさせていただいていますが、どちらか1つではなく2つあることでうまくバランスがとれている部分もあります。これから先も両方続けていくことが私の目標です。