俳優・ピアニストの松下奈緒。40代手前に思う「夢は言葉に出すことで叶えられる」
去年よりは今年、という生き方を
――松下さんは今39歳です。40代になることに焦りや葛藤を感じる人も多い年齢ですが、どう捉えていますか? 松下: 冗談で年齢をネタにしている分にはいいのですが、深刻に捉えてしまうと何も進まなくなってしまいます。何歳だから「こうでないといけない」「これをしなければいけない」と、自分自身では思わないようにしていても、そういった世間の声に飲まれてしまいそうになることもありますよね。だから、「自分は自分」と思って、あまり年齢は気にしないようにしています。 とはいえ、やっぱり体力はどうしても20代の頃に比べると落ちてしまいます。ただ、何かを失えば、また何かを得ることもあるでしょうし、ネガティブにならず、前向きに「これからどうやって年齢を重ねていこうかな」と考えたいと思っています。 ――年齢とともに、プライベートの過ごし方にも変化はありましたか? 松下: 自分の時間を大事にできるようになりました。20代の頃は自分の時間を削ってでも仕事に没頭することもあり、それが楽しかったし幸せを感じていました。でも年齢を重ねて余裕が出てくると、自分に戻ってインプットする時間も必要だなと感じます。 ――理想の年齢の重ね方は? 松下: ピアノとお芝居を20代から長く続けてきて、やはり年齢とともにクオリティを上げていきたいという思いはあります。去年より今年、と質を高めていく。そんな年齢の重ね方をしていきたいですね。 ――映画にドラマに、演奏に作曲に活動の幅を広げてきた松下さん。やりたいことが見つからない、なかなか一歩が踏み出せないと悩む読者にぜひメッセージをお願いします。 松下: 自分で「これをやるんだ」と、まずは決める勇気を出すことから始まるのだと思います。人に言われて決めるのではなく、自分で何か1つこれをやるんだ、と決められたら、たとえ失敗しても、ムダではなかったと思えるはずです。 また、「言霊」にすると力を持つというのはあると思うので、実現するのは無理だと思うような夢も、口に出してみることが大事だと思います。私自身、夢を口に出すことで、叶えられてきたのかなと思っています。