バド女子ダブルス「シダマツ」ペア攻める姿勢貫き銅メダル 陣内貴美子がパリ五輪を解説【オリンピアン目線】
パリ五輪バドミントン女子ダブルス3位決定戦 志田千陽・松山奈未の「シダマツ」がマレーシアのペアを2-0で破り銅メダルを獲得しました。バルセロナ五輪に出場した陣内貴美子さんが解説します。 ■攻める姿勢を貫いたシダマツ 相手を圧倒 陣内「攻撃的なのがシダマツペアの特徴。集中して良いサーブを打っていましたし、相手はシダマツのスマッシュを嫌がり徐々にコートの後ろに下げられていました。ただシダマツは相手が下がったら前へ落とす。スマッシュ一辺倒ではない冷静さもあり、今日の試合は本当に強かったです。プレーも心も、最後まで攻めていました」 初出場で銅メダルを獲得した今日の試合。ミスもありましたが、「攻めた上でのミスは仕方ない」と陣内さんは話します。 陣内「今日はコンビネーションも最高でした。良いところに打てているから相手が返すところが予想できる。お互い動きやすかったと思います」 第1ゲームを21-11で制し、第2ゲームも終始シダマツがリード。ストレスがたまった相手はラケットを投げてしまうなど、イライラが募り、第2ゲームも21-11。2-0でシダマツが勝利。銅メダルを獲得しました。 陣内「相手よりもシダマツが勝ちたい気持ちが上回っていましたし、チャレンジャーの姿勢が見えました。さらにマレーシアよりも日本の方がこれまでダブルスでメダルをとってきたという歴史がある。このことがアドバンテージにもなっていたと思います」 ■試合後にあふれた笑顔と涙 調子が良いときのバロメーターとして「笑顔」が出るかどうか、と以前から話している陣内さん。勝利の直後、2人には笑顔とともに嬉し涙が浮かびました。 陣内「女子ダブルスは国内の競争も激しい。過酷な代表争いに勝たないと五輪には出られない。勝てなかった時期もあっただろうし、今日の試合で嬉し涙を流すまでにたくさんの悔し涙を流したと思います。さらにライバルたちの顔、シダマツペアの試合が始まる5時間ほど前に敗れた所属先が同じ女子シングルスの山口茜選手の顔なども浮かんだのかもしれません」 シダマツを何年も前から取材してきた陣内さん。 陣内「勝っても負けても悔いのない試合をしたいと語っていたシダマツペア。本当に感無量です。2人の最高の笑顔・涙が見られました。あー良かった!」