証券会社が富裕層のためだけにピックアップする、投資先の「具体的な銘柄」【スイスの元プライベートバンカーが解説】
資産を数億円以上持っている富裕層はごく少数の人たちです。どこに行けば会えるかわからず、富裕層がどのような資産運用をしているかを知っている人は少ないかもしれません。実は、海外の富裕層にとってもっともポピュラーな投資先は米ドル債券です。本記事では、世古口俊介氏の著書『富裕層のための米ドル債券投資戦略』(総合法令出版)より一部を抜粋し、富裕層に人気の米ドル債券の具体的な銘柄の一例を紹介します。 【早見表】毎月1万円を積み立て「預金」と「NISA」を比較…5年~40年でどれくらい差がつくか
米ドル債券の具体的な銘柄一例
今回は実際に富裕層に人気の米ドル債券(米国債・普通社債)の具体的な銘柄の一例をご紹介します。 図表の銘柄リストは、米国債・普通社債を合わせて7銘柄のリストにしています。前述の発行体や種類、残存期間、格付け、利率、価格、利回りなどの米ドル債券に投資するかを決めることに必要な情報が記載されています※。 ※ 発行体……誰にお金を貸すのか、債券を発行している国や会社がどこかがわかり ます。 種類……国が発行している国債か、会社が発行している社債かなどがわかります。 格付け……どれくらい安心してお金を貸せるかという債券の安全性や発行体の信用力を表しています。 残存期間……債券に投資した元本が現金で返ってくるまでの期間がわかります。 利率……毎年何%の利息収入を得ることができるかがわかります。 価格……毎日変動する債券の価格を表しています。 利回り……債券を残存期間が終わるまで持っていた場合に毎年の利息収入と価格の値上がり(値下がり)を合わせてトータルで年間の利益率が何%になるかを表しています。 証券会社は実際には100銘柄以上の債券を取り扱っていますが、富裕層が選びやすいようにニーズに合った債券だけをピックアップし、銘柄候補リストを作って提案するのが一般的です。 米国債 No.1とNo.2は米国債です。残存期間は15.1年と29.8年の債券になります。米国債はどこの証券会社もラインナップが豊富で、だいたいの残存期間の米国債が存在しています。米国債は格付けAA+と非常に高く、信用力が高い債券なので、残存期間が長い債券を選ぶ富裕層が多いです。2024年4月時点の利回りは、だいたいどの期間の米国債も4%前後になります。安全性を最優先に考える富裕層に一番人気なのは間違いなく米国債でしょう。