税理士が“こっそり”教える「消費税」の節税手法5選【税理士・公認会計士が解説】
4.出張旅費規程を整備する
黒「4つ目は出張旅費規程を整備することです。法人の場合は出張旅費規程を整備することで、出張の際に出張手当を出すことができます。この出張手当は課税仕入れに入れられるため、消費税の節税になります」 ――逆に出張旅費規程を整備していない場合は、課税仕入れにできないのですか? 黒「出張旅費規程をしていない場合、出張手当を出しても給与扱いになってしまうため、課税仕入れとして処理できません。出張旅費規程を整備して出張手当を出せば、法人税の節税にもつながるため、出張が多い場合は整備しておいて損はないでしょう」
5.法人化する
黒「最後に法人化することで消費税を抑えられる場合があります。個人事業主で消費税の課税事業者になっている場合、法人化することで最長2年間、消費税を免除することが可能です」 ――これはどういう仕組みなんですか? 黒「法人の消費税は、2年前の課税売上高を基に課税の判定がされます。個人から法人化すると、税務上は個人と法人は切り分けて考えることになるため、法人化することで初年度の売上が判定の対象になる2年後までは、消費税が免除されるんです」 ――そういうことだったんですね。では課税事業者になっている個人事業主は、それも法人化を検討する際のポイントになりそうですね。 黒「ただし、どんな人でも必ず2年間消費税が免除されるわけではありません。設立した法人の資本金が1,000万円を超えた場合、1期目から消費税の納付が必要になります。 また、法人化した日から6ヵ月間の課税売上高や給与等支払額の合計が1,000万円を超えた場合、2期目から消費税が課税されるため注意が必要です」 ――必ず2年間免除されるわけではないんですね。この方法を活用する場合は条件をしっかりと把握しておきたいですね。 黒瀧 泰介 税理士法人グランサーズ共同代表/公認会計士・税理士
黒瀧 泰介
【関連記事】
- 家業を手伝う娘に「はい、今月のアルバイト代」⇒税務調査官「追徴課税です」…地元で細々やってきた60代・自営業夫婦の“致命的ミス”【税理士が解説】
- 父さん、ごめん。実は…月収13万円の25歳フリーター息子、ポツリと「国民年金の滞納」を告白→57歳サラリーマンの父親が“思わずほくそ笑んでしまった”ワケ【FPが解説】
- 配偶者への不動産相続が“非課税”になる〈特例〉とは?…「相続税」の基本的な節税テクニック5選【相続の専門家が解説】
- 息子は「現金を相続する」と主張するが…夫の死後「住む場所も、老後資金もほしい」という妻の思いを実現する方法【相続専門税理士が解説】
- 恐ろしい…空き家の「相続→売却」で「相続税+所得税」の往復ビンタ! 負担軽減の方法は?【税理士が助言】