浅野忠信、15年ぶり監督作は「SHOGUN 将軍」がきっかけ「もう一度チャレンジしたい」
短編映画制作プロジェクト「MIRRORLIAR FILMS Season6」の初日舞台挨拶が12月13日、東京・ヒューマントラストシネマ渋谷で行われ、「男と鳥」の浅野忠信監督、阿部進之介、田中一平、「カフネの祈り」の増田彩来監督、伊礼姫奈、「FAAAWWW!!!」の鬼木幸治監督、「サン・アンド・ムーン」の岡本多緒監督が出席した。なお、この日登壇予定だった井浦新は体調不良のため、この日は欠席となった。 【フォトギャラリー】小栗旬監督「1/96」、浅野忠信監督「男と鳥」メイキングカット 伊藤主税、阿部進之介、山田孝之らがプロデュースする「MIRRORLIAR FILMS」は、メジャーとインディーズの垣根を越えて映画を作り上げる短編映画制作プロジェクト。今回上映される「Season6」は、小栗旬監督作「1/96」、浅野監督作「男と鳥」と、一般公募作となる「サン・アンド・ムーン」「FAAAWWW!!!」「カフネの祈り」の5作品で構成されている短編オムニバス映画。浅野が15年ぶりにメガホンをとった「男と鳥」は、ゾンビ侍に飛べない鳥、神などが登場するなど、摩訶(まか)不思議な世界観が展開される。 浅野監督が本プロジェクトに参加するきっかけは、カナダでの「SHOGUN 将軍」の撮影時だった。同作には本作プロデューサーの阿部も参加していたそうで、「ふたりで食事をしたり、お茶を飲んだりしていたんです。そこで『MIRRORLIAR FILMS』で撮られた短編を見せていただいて。僕も適当に撮ったものを見てもらったりするうちに、『浅野さんも撮らないか』と言ってくれて。それで今回、この作品を撮らせていただきました」と述懐する。 本作は人間をコマ撮りで描き出すなど、動きが印象的だ。「自分でもコマ撮りをするのが好きだったんで。無理を言ってコマ撮りをさせていただいた。ベランダみたいなところでテスト撮影をしたら、意外とうまくいったんで。それでこういう形でやらせていただきました。とても楽しかったです」と振り返った浅野監督。 本作に登場する“ゾンビ侍”は、「SHOGUN 将軍」からインスパイアされたものだったという。食事の時などに冗談話として「『SHOGUN 将軍』の戦闘シーンで亡くなる侍さんもいるわけで。もし『SHOGUN 将軍』のシーズン2があるなら、そういう人たちがゾンビ侍としてよみがえったらいいじゃないか、といった話をしていました」という話をしていたというが、浅野自身はそのアイデアを気に入ったとのことで、「次の日のInstagramに、浅野さんが“ゾンビ侍”の絵を描いて載せていたんですよ。めっちゃ気に入ってるじゃんと思いましたね」と笑う阿部。そこから本作に登場する“ゾンビ侍”のキャラクターが生まれたという。 そんな流れから「今後も監督活動は続けられますか?」と質問された浅野監督は、「そうですね。阿部さんからはこの後のSeason7、Season8と続けていこうと……」と意欲満々。だが阿部は「もうこの後の監督は発表済みなんですよ。なぜか浅野さんはSeason7、Season8の監督をやろうとするんですけど……お断りします」とピシャリ。浅野もおどけた様子で「もうないみたいです」と笑いながら続けた。 ただ、監督業は「ぜひとも、もう一度チャレンジしたいなと思っています」と語る浅野監督。占いに行った際に「僕は転職した方がいいですかね」と尋ねた際に、「あなたは今の仕事と結婚しているような人だから。今のままでいなさい」と言われたという。そこで「じゃ監督とかもやらなくていいかな」と思ったと語った浅野だが、阿部から「でも仕事というのは“俳優”のことではなくて、“映画全般”のことかもしれない」とフォローを入れられると、「だったらSeason7の監督を」とあらためて次回作の監督を懇願する浅野の姿に会場は笑いに包まれた。