「みんなが集まる場所がなくなる」能登半島地震で液状化被害の富山市東蓮町地区で公費解体作業
富山テレビ放送
能登半島地震で液状化被害を受けた富山市の住宅で公費解体の作業が進められています。 当初の予定より4か月遅れで始まった富山市の公費解体は最低でも今年度いっぱいかかる見通しです。 公費解体が行われているのは能登半島地震で液状化被害が相次いだ富山市の東蓮町地区の西尾英幸さんの住宅です。 液状化現象で、およそ240世帯のうち、少なくとも70世帯で被害が出た東蓮町地区。 西尾さんの自宅は、家屋全体が大きく傾き、り災証明書の被害認定で、「全壊」と判定されました。 西尾さんの自宅は今週から公費解体の作業が始まり、20日は内装の取り壊しなどが行われていました。 作業は来月中頃までを予定しています。 *西尾英幸さん 「(様子を見に)来るたびに傾きがひどくなるように感じていた。いよいよ公費解体が始まって。きょうは(家がシートで)囲まれてて。一気に『ああ…』って。寂しい。子どももここで3人育っているから。みんなが集まる場所がなくなる」 富山市では、当初7月をめどに公費解体を始める予定でしたが、解体業者の選定や所有者の決断などに時間がかかったとして、先月からようやく作業が始まりました。 公費解体の対象となるのは市全体で46棟で、これまでに申請のあった14件の解体作業は今年度中に終了する見通しだということです。 この東蓮町地区の液状化の防止対策として先日、市はポンプで水をくみ上げて地下水位を下げる工法を提示しましたが、維持管理費の負担などをめぐって今後住民と市が話し合っていくことになっています。
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