サインツJr.、ペレスとの接触で0ポイント終戦を悔やむ「僕はおかしな動きはしてないのに」
F1アゼルバイジャンGP決勝レースの50周目、3番手を争っていたカルロス・サインツJr.(フェラーリ)とセルジオ・ペレス(レッドブル)が接触。両車が大破し、リタイアするという事故が起きた。これについてサインツJr.は、「何が起きたのか分からない」と語った。 【特集】マグヌッセン以前に出場停止を食らった7人のF1ドライバー……その“罪状”は何だったのか? アゼルバイジャンGPは、マクラーレンのオスカー・ピアストリと、フェラーリのシャルル・ルクレールの一騎打ちの状況を呈していた。ルクレールの方が速さがあったものの、一瞬の隙を突いてピアストリが先行。速さに勝るルクレールは、ピアストリを終始追いかける展開となった。 再逆転するのは時間の問題のように思われたが、レース最終盤にはルクレールの方のタイヤが限界を迎え、一気にペースダウン。3番手を走っていたペレスとサインツJr.がすぐ後ろに迫る形となった。 しかしペレスはルクレールを抜きあぐね、その隙を突いてサインツJr.が3番手に上がった。その直後だった。ターン2からターン3に向かうストレートでサインツJr.とペレスが接触。2台はコース左側のコンクリートウォールに激突し、揃って大破……リタイアすることになった。 「大きな事故で、残念ながらコンクリートウォールに直撃してしまった。正直、僕はシャルルとチェコの後ろでかなり速かったし、タイヤも温存できていた。そして、チェコがシャルルを攻めた時に、追い抜いたんだ。その後でターン2をきれいに抜けたと思う」 そうサインツJr.は語った。 「僕は普通のレーシングラインを走った。変な動きはしなかった。でも、まだ理解できていない理由でクラッシュしてしまった」 「彼には左側に十分なスペースがあったと思う。僕は、何も変な動きをしていないよ。でもそれがレースというモノだ。何もなく48周走った後、残り2~3周というところでこういうことが起きることがある」 サインツJr.はこのアクシデントに関して、レース後にスチュワードに呼び出され、審議されることになった。スチュワードにどう説明するかと尋ねられたサインツJr.は、次のように語った。 「僕は普通のレーシングラインを走った。いつもこのコースを走る時に通るラインだ。2コーナーを立ち上がると、少し左に進路を取るのが普通だけど、変な動きや不規則な動きはしなかった。僕の前ではシャルルも少し左に寄ったけど、僕はそのスリップストリームを追っただけだ」 「チェコはどんな動きも、スペースも、譲らないと決めたんだと思う。でも、断言するのはまだ早すぎるね」 サインツJr.は、アゼルバイジャンGPで良いレースをしたにも関わらず0ポイントに終わったのは残念だったと語る。 「正直、僕はとても速かった。でもピットストップでかなりロスしてしまった。そして、ミディアムタイヤで崖を迎えてしまったので、インラップが遅かった。これらの影響で、10秒遅れてしまったんだ」 「ただ、今日は僕が1番速かったし、2位を狙うことができたと思う。だから、0ポイントで帰るのはとても残念だ。ペースも良く、力強いレースができたから、すごく残念だ」 なおこの接触は、スチュワードによる審議対象となった。その結果、サインツJr.にもペレスにも主な責任はないとして、いずれのドライバーにもペナルティが科されることはなかった。
田中 健一/Jake Boxall-Legge
【関連記事】
- ■大クラッシュを起こしたサインツJr.とペレス、ペナルティを逃れる。スチュワード「どちらのドライバーにも主な責任は過失はないと判断」
- ■角田裕毅、アゼルバイジャンも接触ダメージの影響でリタイア……これで2戦連続「ストロールは不必要な動きだったと思います」
- ■レッドブルF1代表、ペレス“撃墜”のサインツJr.を非難「チェコは表彰台に相応しかった」タイトル争いでも大きな痛手に
- ■僕のディフェンスが甘かった……ルクレール、ピアストリにオーバーテイクされたシーンを悔やむ「あれが今回の敗因になった」
- ■F1“2年生”ピアストリ、堂々ディフェンスでルクレール下し2勝目。マクラーレンがランキング首位浮上|アゼルバイジャンGP決勝