「一発勝てばいい」の落とし穴… 知らない間に進行するギャンブル依存症の脅威を描いた啓発漫画【作者に聞く】
「借金を取り戻すためにはギャンブルで勝てばいい」と、適度なところでやめられないのがギャンブル依存症。最近は、オンラインカジノが主流でスマホで簡単にできてしまうこともあり、若者の依存症も増えているという。今回は三森みさ(@mimorimisa)さんが描く「だらしない夫じゃなくて依存症でした」のなかから「ギャンブル依存症編」をピックアップする。 【漫画】本編を読む ■脱ギャンブルは可能か?依存症からの回復の道 漫画家の三森みささんは、アルコール依存症やカフェイン依存、ゲーム依存症といったさまざまな依存症をテーマにした啓発漫画を描いている。特に、カフェイン依存の漫画が反響を呼び、「依存症」をテーマにした本作を描くことになった。今回、彼女はギャンブル依存症に焦点を当て、その危険性について語った。 ギャンブル依存症について、三森さんは「依存症は脳の本能的な部分が狂う病気で、理性的な思考と本能的な思考が混在し、見分けるのが難しい」と指摘する。初期の段階では自覚がある場合もあるが、病状が進行すると「やめたくてもやめられない」という状況に陥り、理性と本能が錯綜し、依存していることに気づけなくなることが多い。 さらに、ギャンブル依存症にかかりやすい人には、若い頃からギャンブルに触れてきた経験があるという共通点が見られる。三森さんは「ギャンブルを楽しい遊びとして始めても、苦しい状況から逃れたいという心理が強まると、依存症に進行しやすい」と語る。 ギャンブル依存症は「治る」というよりも、「やめ続けることができる」病気である。依存症からの回復は、やめ続けることに尽きると三森さんは強調する。 本作を通じて三森さんが伝えたいのは、依存症は心の弱さや自制心の欠如が原因ではなく、誰もがかかりうる病気であるということだ。苦しい環境で生き延びるために依存する場合もあるが、そんな自分を責めることなく、やめ続ける道を選んでほしいと訴える。 取材協力:三森みさ(@mimorimisa)