「SMAPとの仕事は最高の経験」も「これまで仕事で楽しかったって思ったことは一度もない」鈴木おさむが引退を決意した“ビジネスセックスレス”の苦悩
仕事の辞め方 #2
放送作家・脚本家として、長きにわたり数々のヒット作を手掛けてきた鈴木おさむ氏。しかし32年間仕事を続けてきて、「楽しかったことは一度もない」と振り返る。鈴木氏にとって仕事におけるモチベーションや成長の重要性はどこにあるのか。 【関連書籍】仕事の辞め方
『仕事の辞め方』(幻冬舎)より、一部抜粋・再構成してお届けする。
ビジネスセックスレス
第一章のこんまりさんの話に戻りますが、家の洋服だけでなく、ときめくかどうかは自分の仕事にこそ生きる考えだと思うんです。 今の自分の仕事、これからの仕事を想像して、ときめくかどうか? 「これから10年、今の仕事をしている自分がワクワクするかどうか?」が大事なんです。 僕は51歳。この数年でも色々なお仕事をさせていただいてます。テレビの枠を超えて様々な仕事に挑戦させていただき、2024年にはNetflixで自分が企画した大型ドラマが配信予定です。 ですが、この先10年、ワクワク出来るか?と考えたら、そうではない自分がいることに気づきました。 この先、ワクワクするために生きていくにはどうしたらいいのか?と考えると、「人生がときめく片づけの魔法」と同じなんですね。 ワクワクするために手放さなきゃいけないものがある。 手放すから、この先ワクワク出来る。 僕が仕事を辞めることを報告すると、何人もの人に「もったいない」と言われました。 ありがたすぎる言葉です。もったいないと言ってくれるなんて。 だけど、もったいないと本気で言ってもらえてるうちが花。 でも、周りがもったいないと言ってくれることに自分がワクワクするかは別の話です。 洋服ダンスの服を見てワクワクするかどうかを決めたように、自分の今の仕事、そしてこれからその仕事をしている自分にワクワクするかどうかを考えてみた結果。 ワクワクしなくなっている自分がいる。 セックスレスという言葉があります。付き合って最初の頃は燃えるセックスですが、慣れ親しんでくると前のような興奮やときめきがなくなる。そして、セックスしなくても、それが当たり前の関係になってくる。 恋愛や夫婦においては、セックスレスになっても、愛しい関係を作ることが出来るかもしれませんが、仕事に対してのセックスレスは良くないと思っています。 仕事というものは基本しんどいものだと思ってます。だけど、その中に一滴の興奮とワクワクがあるから、それで再びモチベーションが上がり頑張れる。 だけど、仕事に対して前のような興奮とワクワクがなくなってきたら、それはビジネスセックスレスだと思うんです。 これは辞めることを考えるサインだと思っています。