節約の狙い目は「医薬品費」にあり! スリム化の意外な方法を節約アドバイザーが伝授
いつ終わるともわからない物価高の昨今。へとへとな毎日の中でもがんばって節約を心がけているみなさま、お疲れさまです! 【グラフで確認】600人に聞いてみた!普段の生活で節約を意識しているものは? 「アイン薬局」をはじめ全国で薬局を運営するアインホールディングスが、20代~70代の男女600人を対象として行った「医薬品とお金に関する意識調査」によると、普段から節約を意識して生活していると回答した人は9割超。節約が板についてきている人は、とても多いようですね。 家計で削ることができる項目として思い浮かぶものといえば、食費、水道光熱費、娯楽費、通信費...。もう削れるところはないと思っていませんか? 実は意外な項目で、まだまだ節約が可能! それが「医薬品費」の節約です。 ■みんなの節約ポイントは? 「食費」「水道・光熱費」「外食費」がベスト3 同調査によると、節約を意識するものベスト3は「食費 (外食を除く)」(65.5%) 、「水道・光熱費」(62.2%) 、「外食費」(51.2%) 。ファッション費、日用品費、通信費がそれに続きます。確かにこの辺りは頑張れば削れそうですよね。 一方、「市販薬費 (処方箋なしで購入できる薬にかかる費用) 」(13.0%) や、病院や診療所でかかる「診療費」(10.5%) などの医療費の節約を答えた人は少なく、 特に医師が発行する処方箋に基づいた処方薬を薬局で受け取る際にかかる「医薬品費」を挙げた人は全体の7.0%。普段から節約を意識している人ですら7.3%と、1割未満であるという結果に。 医療費や医薬品費については、「節約はできない」「お金がかかるのは仕方がない」と感じる人が多いのではないでしょうか。大切な体に関わることだから、なんとなく削ってはいけないような気もしてしまいますよね。 ■医薬品費も節約できる! 主な5つの節約術を全て知っている人は1.5% しかし、実際に医薬品費の節約に効果的な方法はいくつかあります。 例えば「ジェネリック医薬品(後発医薬品)の選択」。「ジェネリック医薬品」は、先発医薬品(新薬)の特許が切れた後に製造・販売される「(先発医薬品と)同等の効き目がある」と認められた医薬品で、新薬より低価格で購入することができます。これはよく認知されていて、75.8%が節約に効果的だと知っているという結果に。 一方、「お薬手帳を持参する」(43.5%) や「マイナンバーカードを健康保険証として利用する」(20.0%)の認知率は半数以下。「調剤技術料 (調剤基本料) が低い薬局を探す」(7.3%) 、「複数の処方箋をまとめて出す」(7.2%) は1割以下と、ほとんど知られていないことがわかりました。 ■薬局に種類があり、それによって支払い金額も異なる そもそも薬局に種類があること、それによって支払い金額が異なることをご存知ない人も多いのではないでしょうか。 薬局は、立地や形態・規模によって種類が異なります 。 主な種類としては、病院やクリニックのすぐ近くや医療モールの中にある「門前薬局」、大規模な病院と同じ敷地内にあり、病院とは別の事業者が運営している「敷地内薬局」、病院やクリニックの外に出ることなく薬を受け取ることができる「院内薬局」 などがあります。 そして、薬局の種類の違いにより、同じ処方薬でも受け取る際に支払う金額が異なることもあまり知られていません。薬局の種類の違いを認知していると答えた320人にこのことを知っていたかと聞くと、45.3%は「知らなかった」と答え、「金額が異なることを知っていて、その理由も理解している」と答えたのは15.0%という結果でした。 ■払っているのは薬自体の価格だけではない。内訳がわかる「調剤明細書」をチェック また、処方薬を受け取る際に支払う金額が「お薬そのものの代金だけではない」ということを意識している人も少ないようです。 処方薬を受け取る際に渡される「調剤明細書」には、処方薬とともに支払う金額の内訳が書かれていますが、この明細書を「毎回読んでいる」と回答した人は、17.2%にとどまります。約4割は「調剤明細書を知っているが、読んでいない」(28.8%) 、「調剤明細書を知らない・わからない」(8.2%) と回答しています。 自身を振り返ってみると、なんとなく目を通してはいたものの、各項目の意味までは理解していませんでしたし、薬局によって金額が異なることも知りませんでした。ここに節約ポイントがあったなんて、驚きです。 ■節約アドバイザーに教わる! 薬局のかしこい選び方&使い方 では、具体的にどうすれば医薬品費の節約ができるのでしょうか。節約アドバイザーの和田由貴さんに、薬局の賢い選び方・使い方についてアドバイスをいただきました。 ▶︎教えてくれたのは 和田由貴さん 消費生活アドバイザー、家電製品アドバイザー、食生活アドバイザーなど、暮らしや家事の専門家として活動。環境カウンセラーや省エネ・脱炭素エキスパートでもあり、環境問題にも精通。私生活では2人の子を持つ母で現役の節約主婦でもあり、日常生活に密着したアドバイスが得意。「節約は、無理をしないで楽しく!」がモットーで、耐える節約ではなく快適と節約を両立したスマートで賢い節約生活を提唱。 ■薬局によって支払う金額が違う!「調剤明細書」を理解して医薬品費を節約 処方箋を薬局に出してお薬を受け取るときに渡される「調剤明細書」。これを見ないのは、実は「とてももったいないこと」なのだそう。 「明細書には点数 (1点=10円) が書かれていますが、お薬自体の価格である「薬剤料」だけでなく、薬局に支払う手数料のようなもの (「調剤基本料」「薬剤調製料」など) があり、私たちはそれらも合わせてお薬代として支払っています。このうち「調剤基本料」は、薬局の立地や形態・規模によって違います。点数の低い薬局を利用すると、同じお薬でも薬局で支払う金額が異なり、節約することができます」 ほかにも、お薬手帳を持参することで薬剤料以外の点数を抑えられることもあります。「調剤明細書」を見る習慣をつけて、どの項目を節約できるのか考えてみましょう。 ■オンラインも上手に使って無駄なく薬局を利用しよう 「タイパやコスパを重視するのであれば、オンライン服薬指導の利用も便利」と和田さん。 「自宅にいながらスマホやタブレットで薬剤師の服薬指導が受けられて、決済もでき、自宅にお薬が届きます。医療機関もオンラインで受診できるので、デバイスの使い方に慣れている方には向いているかも。お薬手帳もアプリを使えば忘れたりしないので、入れておくと便利ですよ」 一般的に「医薬品費」は頻繁に支払うものではないかもしれませんが、たまに支払う機会があると、案外大きな金額にどきっとするもの。調剤明細書をよく読んで薬局をかしこく選び、節約につなげましょう! 文=さいとうあずみ