DeNA・東克樹が開幕6連勝 雨にも虎党にも負けず無四球8回2失点 球団左腕49年ぶり
DeNA・東克樹投手(28)が22日、阪神10回戦(甲子園)で8回5安打2失点(自責点1)と好投し、開幕から6連勝を飾った。球団の左投手では1975年の間柴富裕に並び最多記録。全て先発で白星を挙げる開幕6連勝は球団初。昨季から続くクオリティースタート(6回以上投げて自責点3以下)を23試合に伸ばした。3位のチームは5―2で逆転勝ちし、2位・阪神に0・5ゲーム差に迫った。 そう簡単には崩れない。多彩な投球術が安定感を生み出している。1年目の2018年以来、6年ぶりに登板した甲子園で開幕6連勝。球団の左腕では1975年の間柴に並ぶ最多記録だ。額に充実の汗を浮かべた東が感慨を込めた。 「野球といえば聖地甲子園。そこで勝利することができてうれしい」 梅雨入りした空から小雨が降り、次第に足元がぬかるんだ。それでも集中力を切らさず、8回5安打2失点と好投。昨季から続くクオリティースタートを23試合に伸ばし、2位・阪神に0・5ゲーム差に迫る勝利の立役者となった。 「今日のターニングポイント」と振り返ったのは、3―1で迎えた四回。1点差に詰め寄られてなお無死一、二塁で渡辺を三ゴロに抑えた。さらに豊田を2球で追い込み、3球勝負の決め球に選んだのはスライダー。売り出し中の右打者を注文通りの二ゴロ併殺打に仕留め、捕手の山本に視線を送ってグラブをたたいた。 チェンジアップをマークされていると察し、選択した勝負球だった。「投げ切ることができてよかった。(1イニングに)複数失点しなかったことが今日の投球につながった」と東。三浦監督は「軸になるボールが一つではないのが強み」と好投を続けている要因を挙げる。無四球と制球力も光り、エースの貫禄を示した。 前回15日の西武戦(ベルーナ)は9回完封。翌16日はドラフト5位・石田裕(中大)が95球で完封勝利を挙げた。安定感抜群の左腕は「僕の完封が薄れた」と冗談めかしたが、調子に左右されず試合をつくる姿は頼もしいばかりだ。 「負けが付いていないのは僕だけの力じゃない。支えてもらっている人に感謝したい」。勝っておごらず、視線を先に向けた。(鈴木智紘)