「子供の夏服がない」輪島の母親グループ、7日からイオンとともに子供服を出張販売
「子供の夏服がない」-。石川県輪島市で、7月から小中学生の子供を持つ母親らが、子供服の出張販売を始める。子供服を扱う市内の洋服店が1月の能登半島地震で被災して閉店。困った母親らがアパレル各社に働きかけ、これを知ったイオングループが協力を申し出た。第1弾として、7日から市内のスペイン料理店の一角を借り、即席の子供服店をオープンさせる。 【写真】7月7日に輪島市内で行われる子供の夏服出張販売のチラシ 今回、出張販売を企画したのは、輪島の母親グループ「わじまミラクルず」。代表の岡垣未来さん(44)によると、震災で子供服を豊富に扱っていた近隣の洋服店が閉店。現在、市内で店を開いているのは乳幼児や年配者対象の服が多いチェーン店のみで、困っている保護者が多いという。岡垣さんも高校2年生と小学5年生の母だが、「成長期の小中学生はサイズが変わりやすく、服や靴選びが難しい。通販も利用したが合わないこともある」と語る。輪島から車で片道2時間以上をかけて、金沢市まで子供服を買いに行くこともあったという。 窮状に手を差し伸べたのが、輪島で被災地支援を続けるNPO法人「カタリバ」(東京都杉並区)だった。カタリバがバックアップする形で、母親グループがアパレル企業にアプローチ。さらに、この動きを知ったイオングループが今回、市内で子供服を出張販売することを申し出た。手始めとして、7日午後1時から2時間限定で、市内のスペイン料理店「アグラディート」で即席の子供服店をオープンさせる。 岡垣さんは「服を手に取って選び、買い物をする楽しみを味わってほしい。お祭りなどイベントもなくなっている中、親子で笑顔になってほしい」と期待を込める。商品陳列の方法にも気を配るほか、店の周辺では七夕飾りや縁日も計画している。今回の出店で商品の販売状況を踏まえたうえで、28日には輪島港に近い「輪島キリコ会館」でも出張販売を開く予定だ。(飯塚友子)