F1マシンの乱気流、マシンの挙動だけじゃなくドライバーにも悪影響?
F1マシンは2022年にレギュレーションが大きく変わり、グラウンド・エフェクト・カーの時代が再び到来。現行マシンは3年目を迎えているが、今のマシンが生み出す乱気流には、マシンの挙動だけではなくコックピットに座るドライバーも影響を感じているという。 【動画】リカルド&アルボン、日本GP1周目に散る! 現行世代のマシンのレギュレーションは、前世代マシンで問題となっていた、マシンが後方に発生させる乱気流に起因する接近戦のやりづらさを軽減することも目的のひとつになっていた。 しかし、現行マシンも各チームの開発が進むにつれて、乱気流の問題は再発。接近戦へ及ぼす影響が大きくなって来ていることが指摘されている。 そして乱気流は接近戦の観点だけではなく、マシンのコックピットに収まっているドライバー自身の快適さにも影響を及ぼしてしまっている。ジョージ・ラッセル(メルセデス)はこの問題を指摘しており、先日行なわれた第4戦日本GPでも無線でチームに対して問題があることを強調していた。 「今年のちょっとしたテーマだ」 ラッセルはこの問題についてmotorsport.comにそう語った。 「プラクティスや予選ではヘルメットにも問題はなかったけど、レースになるとすぐに周囲にはクルマがよりどりみどりで、乱気流に出会うことになる。そして、その点でちょっと苦労することになる」 「以前よりも、間違いなく今のクルマは追走しづらくなっているよ」 なおラッセルは日本GPのレース中、ステアリングに振動があると無線でチームに訴える場面もあった。この件について、彼は次のように説明した。 「ああ、どこからこの振動が来ているのか僕も分かっていないんだ」 「小さなフラットスポットでもあったのかもしれないけど、調べてみないとね」 ラッセルはそうした課題はありつつも、レース終盤にはオスカー・ピアストリ(マクラーレン)を追い抜いて、7位でフィニッシュ。オーバーテイクを仕掛けようとしたシケインではピアストリと接触し調査対象にもなったが、結果的にお咎めなしとなった。 「良いレースで、良いバトルだった」 「(ピアストリに対して)スペースは十分残していると感じていたんだ。でもエイペックスでちょっとだけ接触してしまった。彼がまっすぐ横切っていったのは驚いたけど、最後に彼を追い抜くことができた」 そしてラッセルは、9番手スタートからチームメイトのルイス・ハミルトンを抜いての7位は、考えられる中では良い結果だったと捉えている。 「レッドブルの後ろの4チームは本当にタイトで、予選では6台で0.1秒や0.2秒といった差しかなかったし、それでグリッド位置が変わってしまう状態だった。だから今日は、2日目(予選日)が悪い1日になってしまったことの代償を支払った」 「(赤旗の後)ハードを履いて再スタートしたのは、理にかなっていたと思う。これが柔軟性をもたらしてくれた。ただ序盤にルイスの後ろでタイムをかなり失ってしまった」 「一度ピットに戻ってからは、シャルル(ルクレール/フェラーリ)やランド(ノリス/マクラーレン)に並んで、かなりペースが良かった。だから、もう少し良い位置からスタートしていたら、違ったレースになっていただろうね」
Adam Cooper