長野県木曽町の「旅情庵」復活へ 小橋能さん・志穂さん夫妻が奮闘 今秋にもプレオープン
かつてユースホステルとして親しまれた長野県木曽郡木曽町新開大原の「旅情庵(あん)」の復活に向けて改修が進んでいる。昭和43(1968)年から平成27(2015)年まで旅人を受け入れていた宿を再開させようと、浜松市から移住した小橋能(こばしあとう)さん(40)、志穂さん(40)夫妻が、早ければ今秋のプレオープンを目標に奮闘している。 旅情庵は築100年を超す木造2階建ての古民家を活用しており、増築部分を含め延べ626平方メートル。閉業後、元町地域おこし協力隊員で町移住サポートセンターの木村耕紀さんが平成29年、移住支援を目的にシェアハウスを始めた。現在は小橋さん夫妻と木村さんが所属する住民団体で、大原地区の農業振興・里山再生を目指す木望農(きぼうの)会が活用している。 小橋さん夫妻は移住前、自宅で民泊業を営んでいた。「もっと本格的にやりたい」と物件を探し始めたところ、旅情庵で「シェアハウスの住み込み管理人」を募集していたことから、子供2人を連れて移住した。 若者や小さな子供連れでも安心して泊まれる簡易宿泊所にしようと、町の創業支援補助金やインターネット上で資金を集めるクラウドファンディング(CF)を活用し、客室の改装や消防設備の更新に取り組んでいる。 本のある部屋などが地域の子供たちに開放されていたユースホステル時代にならって、自宅でも学校でもない居場所となるサード・プレイスにするためのCFも計画している。小橋さん夫妻は「昔ながらのユースホステルや子供たちの憩いの場として、利用者に愛される場所を目指したい」と話している。
市民タイムス