勤労者皆保険と新NISAは「国民年金の第3号被保険者」を廃止に導く
新NISAで外国株を購入する方が増えると円安が進行する
株式や投資信託の譲渡益、配当金、分配金には原則的に、20.315%(所得税、住民税、復興特別所得税の合計)の税金が課税されます。 しかしNISA(つみたてNISA、一般NISAなど)の口座を通じて、株式や投資信託を購入する場合には、これらの税金が課税されないため、税制面での優遇が大きいのです。 2024年から開始される予定の、つみたてNISAと一般NISAを統合した新NISAは、税制面での優遇が更に大きいため、注目を集めているのです。 また新NISAの開始が近づいているため、金融関係の識者の方がSNSなどで、新NISAで購入した方が良い金融商品を紹介しています。 こういったものを見ていると、アメリカや全世界の株式を投資対象にした投資信託(特にインデックスファンド)を、よく紹介している印象があります。 例えば日本人がアメリカの株式を購入したいと思った時は、日本円を売って米ドルを購入し、それでアメリカの株式を購入する場合が多いため、円安要因になるのです。 そのため新NISAを通じて、アメリカを始めとする諸外国の株式を購入する方が増えるほど、円安が進行する可能性があります。 また円安が進行すると上記のように、母国に送金できる金額が減ってしまうため、外国人労働者は日本以外の他の国で、働きたいと考える可能性があります。 新聞などの報道によると、2022年の1年間に失踪した技能実習生の外国人は、過去2番目に多い9,006人に上ったので、すでに外国人労働者の日本離れは起きているのかもしれません。 外国人に頼れなくなった企業は、社会保険の保険料の半分を負担する必要性があったとしても、日本人の採用に切り替える可能性があります。 そうすると勤労者皆保険の実現が近づくため、新NISAは第3号被保険者を廃止に導く制度だと思うのです。 《木村 公司》
木村 公司