中村歌六「感謝をしてもしきれない」 二世中村吉右衛門さんとの思い出を語る
歌舞伎俳優で人間国宝の中村歌六さん(73)が8日、東京・築地で歌舞伎座「秀山祭九月大歌舞伎」(9月1日初日)の合同取材会を行い、二世中村吉右衛門さんの思い出を語りました。 【画像】中村歌六「一生修業・毎日が初日」 人間国宝に認定され、喜び語る 9月に開催される、初世中村吉右衛門の功績を顕彰し、その芸と精神を継承していくことを目的とした秀山祭は、初世中村吉右衛門さんの俳名である「秀山」を冠し、二世中村吉右衛門さんが長年にわたり情熱を傾けてきた公演。歌六さんは昼の部の演目『摂州合邦辻(せっしゅうがっぽうがつじ)』で合邦道心を勤め、そして演目『沙門空海唐の国にて鬼と宴す(しゃもんくうかいとうのくににておにとうたげす)』では、老人・丹翁を勤めます。 今回演じる、沙門空海について歌六さんは「やっていても楽しい役」と話し「(あの役は)ひょうひょうとしてふらふらしながらなんとなく生きている、実はある時になるとピシッとすじの通った、多面性のあるお役なので作っていく分には、なかなか楽しい」と説明しました。 また、吉右衛門さんとの思い出を聞かれ「(吉右衛門の)お兄さんに、(三世中村)歌六百回忌なんですよねと話し“それは秀山祭でやらなければダメだよ。僕が松竹に話をするからやらせてもらおうよ”と言って、やらせていただいた。歌六の百回忌をさせていただいたのは、お兄さんのおかげなんで感謝をしてもしきれない」と語りました。 曽祖父である三世中村歌六の百回忌追善狂言として2019年9月「秀山祭九月大歌舞伎」で『沼津』が上演されました。歌六さんは吉右衛門さんとの思い出の舞台は『沼津』と話していました。