55歳で専業主婦、夫が「退職金1000万円あるから老後は大丈夫」と言っています。年収500万円で「貯蓄ゼロ」ですが、本当に問題ないのでしょうか…?
60歳からの年金と退職金で老後は生活できるのか?
老後の生活はいつまで続くかは分かりません。厚生労働省の「令和5年簡易生命表の概況」によると、男性の平均寿命は約81歳、女性は約87歳です。今回は男女の間くらいの85歳まで夫婦が共に生きたとして、計算を進めます。 ここまでの計算をまとめると、年間で老後の生活費は338万9964円、60歳からの年金は206万102円です。そして、退職金は1000万円ですので、60歳から85歳までの25年間で毎年均等に使うとした場合の金額は40万円です。 老後の生活費の年間338万9964円に対し、60歳からの年金と1年あたりの退職金を合わせたものは246万102円ですので、毎年92万9862円の赤字になります。
まとめ
貯蓄がない状況で、年収500万円の夫と専業主婦の世帯は、退職金が1000万円あっても60歳以降働かずに生活することは厳しいことが分かりました。 なお、生活費と退職金が同じ条件でこの夫婦が年金だけで暮らすには、年金の受給開始を66歳とちょっとまで後倒しする必要があります。そのため、それくらいの年齢までは働くなどして生活費を稼がなければなりません。 また、実際は生活費がもっとかかったり、退職金を全て使えなかったりなど、事情は人によってさまざまです。何歳まで生きるのかも誰にも分かりません。自分たちの世帯が老後に働く必要があるのかどうかは、本記事を参考に事前にシミュレーションしておきましょう。 出典 内閣府 令和5年版高齢社会白書(全体版) 総務省統計局 家計調査報告〔家計収支編〕 2023年(令和5年)平均結果の概要 日本年金機構 は行 報酬比例部分 日本年金機構 令和2年9月分(10月納付分)からの厚生年金保険料額表(令和6年度版) 厚生労働省 令和5年簡易生命表の概況 執筆者:FINANCIAL FIELD編集部 ファイナンシャルプランナー
ファイナンシャルフィールド編集部