遠藤憲一「(大橋和也は)リーダーだけあって気遣いがすごい」ドラマ「民王R」の見どころや共演者について語る
遠藤憲一が主演を務めるドラマ「民王R Inspired by 池井戸潤」(毎週火曜夜9:00-9:54、テレビ朝日系)の第1話が10月22日に放送。民放公式テレビ配信サービス「TVer」では第1話の配信中である。10月29日(火)に放送される第2話に先駆け、主演の遠藤からコメントが到着。第1話の見どころ、本作の魅力などについて語った。 【写真】遠藤憲一が全国民と入れ替わってしまう総理大臣を熱演 ■総理大臣が誰かと“ランダム”に入れ替わる奇想天外ストーリー 同ドラマは、「半沢直樹」シリーズや「下町ロケット」シリーズ、「ハヤブサ消防団」などで知られる作家・池井戸潤の「民王」にインスパイアされた作品となっている。前作である2015年放送のドラマ「民王」では、遠藤演じる現職総理大臣・武藤泰山と、“未曾有”(みぞう)を“みぞうゆう”と読んでしまうほどおバカな息子・翔(菅田将暉)の心と体が入れ替わるという珍事が時にシニカルに、時にハートフルに描かれた。 今作の「民王R」では、再び総理大臣の座に就くことになった泰山(遠藤)がまたしても入れ替わりの事態に見舞われることに。しかも今度の入れ替わり対象は全国民。毎話、総理大臣が国民の誰かとランダムに入れ替わってしまうというストーリーが展開していく。 泰山の書生であり政治に対して無垢で無知なピュア人間・田中丸一郎太役をなにわ男子・大橋和也が、泰山の新たな公設第一秘書・冴島優佳役をあの、警視庁公安部所属の猫田マモル役を山時聡真、絶大な諜報能力と格闘能力を有する優秀な警察官・新田理役を山内圭哉、武藤内閣の内閣官房長官・狩屋孝司役を金田明夫が務める。 ■第1話見どころ 9年前には内閣総理大臣を務めながらも、今では政治家人生の引退を間近に控えている武藤泰山(遠藤)。サウナ議連、お寿司議連、デザート議連…とのんびりした議員生活を送っていた泰山のもとに、民政党最大派閥を率いる二木正一(岸部一徳)から連絡が入る。支持率が史上最低の5%を記録し、後に控える候補者たちも失言、裏金、女性問題と不祥事のオンパレード。結党以来の窮地に立たされた民政党を救うべく、泰山は再び総理大臣の座に就くよう命じられるのだった。 一度は断るものの、二木の説得により「とりあえず」総理大臣の職を引き受けることにした泰山。再び官房長官の座に就けることを喜ぶ狩屋孝司(金田)、そして書生の田中丸一郎太(大橋)とともに新たな公設第一秘書を探す泰山のもとに、前任秘書・貝原茂平(高橋一生)の推薦だという冴島優佳(あの)がやってくる。 ■遠藤「(泰山の魅力的な部分は)“乗り越えられない山はない”という人間性」 ――9年ぶりに「民王」が復活ということで、続編決定のお知らせがあったときの率直な感想と、現在の心境をお聞かせください。 毎話誰かと入れ替わると聞いたときは「すげえな。面白れえな」と思ったんですけど、いざ取り組んでみたら、四苦八苦の連続で(笑)。だけど、だんだん感謝の気持ちの方が大きくなってきました。60歳過ぎて、こんなに面白くて変化に富んだ役なんて、そうもらえるものではないですからね。今は「大変」と「ありがとうございます」という両方の気持ちです。 ――今回、入れ替わりの対象者は全国民です。入れ替わる相手の特徴やクセなどは毎話研究されるのでしょうか? じつは毎回、監督やプロデューサーを含めて、入れ替わる方と本読みをやっているんです。そこできっかけを見つけていくので、普段ではやらない作業を足して取り組んでいますね。 ――前作より9年経っていますが、あらためて泰山をどのように捉えて演じられていますか? 前回は泰山の状態でいる時間が少なく、泰山はほとんど(入れ替わる息子役だった)菅田将暉くんが演じていたんですよ(笑)。俺はずっと気弱な息子・翔くんをやっていたので、前作を見直して取り戻していきました。ただ、やっていると翔くんを思いだしてきちゃうので、それを消すことが大変でしたね。 ――泰山の人として好きなところ、魅力的な部分を教えてください。 「乗り越えられない山はない」という人間性ですかね。きっと、自信とは違う彼の哲学なんでしょうけど、俺もそういう人間でありたいと思いますよ。 ――彼から学ぶことも多いんですね。 一番学べます。だってそういう捉え方って素晴らしいじゃないですか。生きていく限り壁の連続なんだけど、そこで「大丈夫」と思える人は必ず乗り越えられると思うし、そこが泰山の一番好きなところです。 ――撮影現場の雰囲気を教えてください。 前作から出演している金田明夫(武藤内閣の内閣官房長官・狩屋孝司役)さんが、ムードメーカーとなってやってくれています。そこに若手たちも乗っかってワイワイガヤガヤしていて、自分が集中したいときには、集中してまた戻ってきて…みたいな、自由にやれる空気になっていますね。金田さんも俺もそんなに威圧感を与えるタイプではないので(笑)、若手の子たちも「現場に来るのが楽しい」って言ってくれています。喜んでくれているのはうれしいですね。 ――そうしたベテラン勢が盛り上げる中、泰山の書生・田中丸一郎太役の大橋和也さん、公設第一秘書・冴島優佳役のあのさんなど、若手キャストも奮闘されていますよね。 本当にみんな忙しいんですよ。あのちゃんは、曲を作って、レコーディングをして、タレント業もやって、モデルもやって、ドラマもやって…。一日を全力投球している感じ。大橋くんも、なにわ男子で全国ツアーをやって、今度はアジアツアーをやるんでしょ?それなのにみんな忙しさを感じさせず、現場で集中して、エネルギーをボンッと注いでくれる。すごく刺激になります。 ――大橋さんの印象はいかがですか? 本当に優しい青年なんですよ。疲れを知らないし、へこたれないし、すごいなと思います。なにわ男子のリーダーなんですよね。やっぱり、リーダーだけあって、周りの気遣いもすごいし、できた青年だなと思いますね。 ――あのさんの印象はいかがですか? 発想が面白いですよね。不思議でとっつきにくそうに見えるけど、俺はすごく話しやすいです。制作発表会見のときに「入れ替わるなら誰になってみたいですか?」と聞かれたので、「頭の中を覗いてみたいからあのちゃん」と答えたんですよ。そしたらあのちゃんが「エンケンさんはほとんどボクと一緒です」って(笑)。「そうなんだ!」と思ってびっくりしましたね。 ――第1話では、ファーストシーズンに出演していた秘書・貝原茂平役の高橋一生さんがサプライズ出演、ナレーションは菅田将暉さんが担当されました。 忙しい中、菅田くんはナレーションで参加してくれるし、高橋くんも出てくれるし、出演が決まったと聞いたときは本当にうれしかったです。 ――お二人が作品を愛してくれているからこそ、というのもあるのかもしれませんね。 そうですね。そういった気持ちがあったから「やる」と言ってくれたんだと思います。うれしいし、ありがたいですよね。 ――TVerでは、初めて見る方、繰り返し見る方も多いと思います。特に注目してほしい第1話のシーンは? みんなそれぞれ頑張っているし、いろんなキャラが登場するし、シーンというよりは全体ですかね。あと、第1話を見てくださった方には、第2、3話とご覧いただきたいです。 ――そんな気になる第2話のゲストが曽田陵介さんです。 頑張って泰山を演じていましたね。まだ彼の芝居を見ていない部分もあるのですが、「楽しくてしょうがなかった」と言っていましたよ。ひとつのかたちがあって、そこにハマっていくのが面白いみたいで、泰山をやる人みんな喜んでやってくれるんですよ。これからのゲストも楽しんでやってくれるんじゃないですかね。 ――(殺人犯かもしれないという役である)曽田さん側を演じていかがでしたか? 普通の青年役なので、どういうところで寄せていくのか。今のところ一番難しかったキャラクターです。多少デフォルメすることもあるけど、この青年に関しては変にデフォルメする話でもない。「心の動き」をテーマに、表面上は分からなくても、心の中では彼になれるよう意識して演じていました。第2話は青年の成長の話でもあるので、淡々と進む面白さがあります。第1話とはまたガラッと変わった魅力があると思いますね。 ――本作をTVerでご覧になる方にメッセージをお願いします。 「なんだよ!」ってゲラゲラ笑いながら見られるドラマもそうないと思うんで、ツッコミながら見てほしいです(笑)。