東京銭湯ツーリズム──羽田空港周辺で味わう「銭湯特区」大田区の公衆浴場文化
湯上りに楽しむ「江戸前」の味
大田区は20世紀の中葉に「工業の街」として栄えた地域だ。日本各地だけでなく、海外からも人々が移住し、生活を営んできた。蒲田には、そのような歴史を反映した、多様で美味しく、リーズナブルな食文化がある。銭湯のあとに、そうしたお店で食事できるのもこの地域の大きな魅力だ。 この日、筆者が訪れたのは蒲田駅西口の商店街にある「天ぷらすずき」。東京湾は昔から新鮮な海産物が水揚げされることで知られ、その魚は伝統的に「江戸前」と呼ばれて、ブランド価値を放ってきた。そのため海に面する街、大田区には今でも海産物の名店が多い。 こちら「すずき」でもキスや穴子の天ぷらを出してくれて、しかもご飯や汁物が付いた上定食が1200円(税込・2024年2月時点)と非常にリーズナブル。特製の油で揚げられた天ぷらはとても軽やか。穴子天ぷらはホクホクでやわらかい! 蒲田最高! 温泉に入って、美味しいものを食べて。ごちそうさまでした。
【Profile】
堀田 純司 作家、マンガ原作者。上智大学文学部卒。主な著作は『僕とツンデレとハイデガー ヴェルシオンアドレサンス』、シナリオを担当した『まんがでわかる妻のトリセツ』(ともに講談社)など。集英社「よみタイ」にて『まんがでわかる「もっと幸せに働こう」』を連載中。編集者としても『生協の白石さん』(講談社)などのヒット作を企画、編集している。最新作(漫画原作)は『東大教授が教える 日本史の大事なことだけ36の漫画でわかる本』(講談社)。日本漫画家協会員。