【毎日書評】「解像度の高い人」にはどんな世界が見えているのか?具体と抽象のピラミッドとは
メソッド2 どうしたら「ユニークで鋭い洞察を得られる」のか?
「解像度の高い人」の2つ目の特徴は、「ユニークで鋭い洞察力を得ている」状態になること。そうなるためには、「抽象化思考力」を鍛えることが必要になるといいます。 しかし、そもそも「抽象化」とはなんなのでしょうか? 「具体」と「抽象」は反対の概念です。ですから、「抽象化」は「具体化」の逆、ピラミッドを上に上がる作業が「抽象化」です。 先ほどの「日本」の「地理」の事例をそのまま逆転すればわかりやすいでしょう。 例えば、あなたが東京駅にいるとします。東京駅の周辺には丸の内、大手町、「有楽町などの「千代田区」と、日本橋、八重洲、京橋などの「中央区」があり、さらに1階層上がれば「23区」、以下「東京都」→「関東甲信越」→「東日本」→「日本」とどんどん範囲が広がっていきます。(90ページより) 軸になっているのは、「違うもの同士の共通点を見つける」こと。「東京都」「埼玉県」「千葉県」の共通点は「関東甲信越」であり、「関東甲信越」「東北」「東海」北海道」の共通点は「東日本」。そして「東日本」「西日本」の共通点が「日本」です。 このように、共通点を見つけることで上へ上へと思考レベルが上がっていくということ。そして、そうやってピラミッドの頂点までを形成していく営みが「抽象化」であるわけです。(89ページより)
メソッド3 どうしたら「物事をわかりやすく伝えられる」のか?
「解像度の高い人」の3つ目の特徴である「物事をわかりやすく伝えられる」状態になるためには、「具体⇆抽象思考力」を鍛えることが求められるといいます。ちなみに「具体⇆抽象思考」とは、ピラミッドを上に行ったり下に行ったりして「具体」と「抽象」を行き来すること。 繰り返しになりますが、ピラミッドでは頂点がもっとも抽象的な「抽象度100%」、底辺がもっとも具体的な「具体度100%」となっています。そして「具体化思考」は底辺に向かって掘り下げていく思考であり、「抽象化思考」は頂点に向かって組み上げていく思考です。 対して「具体⇆抽象思考」とは、この頂点と底辺の間を行き来する思考のこと。たとえばコミュニケーションにあてはめた場合、相手の「具体⇆抽象レベル」に合わない話をした場合、こちらの意図は相手には伝わらないと著者は述べています。 コミュニケーションがうまくいかない場合、原因を「伝え方」「言い方」の問題と捉えて、いわゆる「話し方教室」などで学ぼうとする人がいます。しかし、残念ながら、たいていの教室ではあなたの悩みは解決しません。 なぜなら、コミュニケーション・ギャップが起きてしまう原因の多くは、相手との「具体⇆抽象レベル」の違いだからです。「具体的な話が理解しやすい人」に「抽象的な話」をしたり、逆に「抽象的な話が理解しやすい人」に「具体的な話」をしたりすると、相手は理解ができず、コミュニケーションにストレスが生じます。(97~98ページより) つまり「物事をわかりやすく伝えられる」ということは、「『具体⇆抽象レベル』を相手と合わせる」ことだというわけです。(95ページより) こうした考え方に基づいて、本書では「解像度が高い人」になるための思考力をわかりやすく解説しています。それらを通じてスキルをしっかりと身につければ、「仕事ができる人」として次のレベルに到達できるようになるかもしれません。 >>Kindle unlimited、2カ月タダで読み放題キャンペーン中! 「毎日書評」をもっと読む>> 「毎日書評」をVoicyで聞く>> Source: SBクリエイティブ
印南敦史