なぜ?やっぱり?日ハム斎藤佑樹の減俸更改にネット炎上…球団の説明不足に疑問…競争原理なきチームにはハレーションも
日ハムは球団主導型の経営方針をとっている。編成判断に監督の意見を重要視する巨人や阪神とは違う。栗山監督は、常に斎藤をフォローしているが、何も彼が斎藤の来年の契約を決めたわけではない。球団が来年も支配下で契約という経営判断をしたのだ。 では、球団はなぜ減俸の上、斎藤の契約更新を決めたのだろう。日ハムという球団は単純な戦力評価と共に年俸とのバランスを重視している。選手に対する投資とリターン、その将来性も含めて見極めはシビアだ。戦力としての評価は、おそらく「ゼロ評価」だろう。 今春の沖縄でのオープン戦で阪神の藤浪晋太郎と斎藤の先発競演を取材する機会があり、初見に近いセ・リーグのスコアラーに斎藤の評価を聞いたが、「ボールを動かすことでバットの芯を外すピッチングしかできなくなっている。今のボールの力と制球力では、たまたま打ち損じてくれたという部分に期待するしかない。1軍の先発に入ってくるのは難しいでしょう。ではどこで使うのか。負けゲームや早いイニングで先発が下りたところでの中継ぎくらいしかないのでは」という意見だった。 実績があれば、それは投球術として跳ね返ってくるので、また話も違ってくるだろうが、1年目に6勝、2年目に5勝をあげたきり、ここ8年間でわずかに4勝である。しかも、靭帯を痛めた右肘のリハビリ中で来季への明確な見通しは立たない。そこを考慮すれば育成契約という選択肢があってもよかったはずである。 ただ選手への評価(査定)は単純に戦力と期待値だけではない。人気という付加価値、あるいは、ムードメーカーとしての付加価値、野球へ取り組む姿勢への付加価値、それは将来の指導者候補としての付加価値でもあるかもしれないが、経営判断には、あらゆる付加価値がプラスされる。入団以来の営業効果という功績への評価もあるだろう。選手の処遇に対する球団イメージの保護も考えられる。だから傍からみてフェアでないように見えるケースもあるだろうし、一律、成績で線引きする必要もない。誰とどう契約するのかも球団の考え方次第である。 過去に巨人はオリックスと競合して1位指名した大阪桐蔭の超大型左腕、辻内崇伸氏が1軍で1試合も投げれなかったにもかかわらず8年間、その可能性を信じチャンスを与え続けた例もある。ずいぶんと古い話で恐縮だが、近鉄は甲子園の大スター、太田幸司氏の面倒を13年間みた。最後の3年間は1勝もできなかったが、その後、巨人にトレードに出し、さらに阪神に移籍するなど、太田氏は、近鉄退団後も2年間、ユニホームを着た。 ただ太田氏は3度2桁勝利をマーク、優勝にも貢献している。斎藤のケースとは実績も球団内での立場も違う。8年で4勝の投手に11年目のシーズンを渡すのは野球界の歴史を見ても異例だ。