「縛られない働き方に憧れる」会社勤めの彼の盲点 キャリアを歩むうえで、一貫性があるかどうか
繰り返しですが、そういった生き方や選択肢を否定するわけではありません。そうではないのですが、NTさんが目指そうと思っている方向性とは異なるのではないか、というように見受けられます。 仮にNTさんの状況が現在とは異なり、例えば「料理人としてやっています。ニセコや熊本、海外のようなチャンスがあり、好景気な場所に移動しようと思います」ならば話は別です。 その場合は料理という一貫した軸があり、場所を変えるだけだからです。場所を変えるだけですから、一貫性も担保できますし、むしろ幅が広がる可能性すらあるわけです。
しかしながら、現在のNTさんの状況を考えると、「現在お持ちのスキルや経験と関係ないけれども、好景気そうなところに行ってみる」という状態であり、そこには一貫性はないように思われます。 人生やキャリアにおいては、過去をいったん否定してみることも、もちろん大切なのですが、現在の裏返しが幸せとは限りません。 自分は何をしたいのか、どんな人生を歩みたいのか、などをもっと深く考えたほうがよいでしょう。 人生やキャリアは長期戦ですから、「今」だけを見て判断し、行動しないほうがよいように思います。
キチンと将来を見据え、過去の自分と今の自分を冷静に分析したうえで、今やるべきことを考えてみましょう。 ■将来の自分は、今日の自分次第 人生もキャリアも積み重ねです。昨日と今日の自分の積み重ねが、明日につながるのです。その延長線上に、どんな将来の自分が見えるかは今日の自分次第なのです。 そのような前提と考え方で、NTさんが現状のみに振り回されることなく、長期的な目線で、ご自身にとってベストな選択肢と行動を取れるであろうことを応援しております。
安井 元康 :『非学歴エリート』著者