「日本で健康診断を」の中東富豪も。現役CAが見た海外富裕層のリアル
自然や伝統文化の「保護」にも関心
――:教養のある富裕層の消費傾向について教えていただけますか? 柳田氏:私見ですが、教養のある方は自然や伝統文化を守ることにも関心が高いので、「爆買い」よりは体験、絶景など美しいもの、教養が身につくことにお金をかけたいタイプだと思います。 あとは、やはり食事ですね。豪華な会席料理からラーメンまで、幅広く好まれます。しかも、外国人向けに用意されたものではなく、日本人が好むお店での食事を望まれます。 今の時代は難しいですが、食事は「外国人がいない」場所でするのを望む方が多いです。 「外国人観光客に人気、すなわち、本格日本食ではない」といったマイナスなイメージが大きいようです。 「ザ・日本人」が行くような場所の案内、予約サービスなどを望まれますね。 2.のカテゴリーは「映え」と「プライベート」が大好物 ――:2のタイプについてはどうでしょう? 柳田氏:このタイプは、1のタイプと違って歴史や文化には興味が薄く、Instagramが盛んなこともあり、「映え」や「自慢できる体験」を重視します。 これまで私が1番多く旅行アレンジをしたタイプなのですが、何でも「プライベート」という名前がつくことが大好きです。 USJのVIPプライベートツアーとか、ディズニーのVIPツアーみたいなのは大人気で、よく予約してあげていました。五感で楽しむ文化体験などより目で楽しめる体験が人気。 1のタイプと同じく、自然や絶景は好きなのですが、例えば、UAEを中心とした中東の方は、絶景の川下りを貸し切り船で体験したりなど、よりプライベートでビジュアルで楽しめる自然体験を求めます。 また、桜がとにかく好きなので、桜の絶景場所へのプライベートツアーは毎年大人気。 本栖湖で開催される「富士芝桜まつり」は、依頼がたくさんあって、都内からタクシーを手配するのが大変でした。 このタイプの富裕層には日本の果物も人気で、ぶどう狩りや桃狩りの体験も需要が高く、日本から果物をお取り寄せしている人もいます。 ほかには、2.のタイプは買い物好きなので、ブランド店で日本限定版のアイテムとか新作をプライベート感覚で見せて頂けるサービスなども需要があると思います。 そのぶん、とにかく荷物が多いので、パッキングサービスも必須。爆買い好きで、親族も多いのでお土産が多いのです。 いつも帰国時に、パッキングしてくれる人を探しています。あとは、哺乳瓶を洗ったり、赤ちゃんの洋服やガーゼを畳んだりという、日本人にとってはなんてことないことでも、全てナニーさん(子守)にお願いしているので、旅先でもそのようなサービスを求められます。