関西は「魚礁都市」を目指せ イノベーション人材集積へ関西経済同友会が提言
関西はイノベーション(技術革新)を起こす人材が集まる〝魚礁〟になるべきだ-。関西経済同友会の都市間競争戦略委員会(委員長=永井靖二・大林組副社長)は9日、長期にわたり凋落(ちょうらく)してきた地元経済の復活に向けて、関西都市圏が目指すべき都市像についての提言を発表した。 前提として、関西は東京に次ぐ地域経済規模を持ち、健康・医療産業や大学、ものづくり企業が集積するなど多くの強みを持ちながら経済が低迷。イノベーションや国際化の遅れなどが弱点になっていると指摘した。 関西が学ぶべきモデルとしてスペイン第2の都市バルセロナを選定。行政サービスに情報通信技術を取り入れて市民生活の質向上を図っていることや、市民が政策を提案するオンラインシステムの運用を評価した。 これらを踏まえ、関西はイノベーションを起こす人材が集まる「魚礁都市」を目指すべきだと強調。国籍を問わず人材が集まるよう生活インフラの整備や言葉の壁をなくす施策の実施、市民や企業が行政に参画できる情報共有の仕組みの必要性を訴えた。(井上浩平)