V4王手の藤井聡太竜王、第5局快勝でも反省「もっと積極的に指すべきだった」
将棋・藤井聡太竜王=名人、王位、王座、棋王、王将、棋聖=が28日、和歌山市「和歌山城ホール」で前日の27日から指し継がれた第37期竜王戦七番勝負第5局で、挑戦者・佐々木勇気八段を先手の91手で破った。シリーズは〇●〇●〇の3勝2敗で2021年からのV4へ王手をかけた。 これまですべて先手が制したシリーズ。1日目の序盤は後手・佐々木が「多分、後手では初めて」という雁木を選択。「思わぬ展開」と意表を突かれた藤井は「△8六歩から動いていかれて対応が難しかった。無難な指し方を選んだが、もっと強く反発すべきだったような気がします」と反省。大盤解説会場でも「もっと積極的に指すべきだった」と口にした。 2日目は佐々木の馬を巡って攻防を展開し、昼食休憩明けで▲6六歩。「予定変更ではあったんですが、後手の手が広いので見通しが立たないのでは」と指した手だが、自玉周辺も堅く、形勢ははっきりと藤井側に。7筋の飛車を駆使して勝利に結び付けた。 第6局は12月11、12日に鹿児島県指宿市「指宿白水館」で指される。藤井は「こちらが後手番になる。(負けた)第2、4局はどちらも作戦負けから押し切られた形になったので、まずは序盤でうまく立ち回れるよう準備をしたい」と七番勝負初の第7局突入阻止へ、熱戦を誓った。 V4を決めれば来期は5連覇による「永世竜王」を目指すことになる。
報知新聞社