【紅海・アデン湾】 日本郵船・商船三井・川崎汽船、全運航船の通航停止。計2000隻
日本郵船、商船三井、川崎汽船の海運大手3社はイエメンの武装組織フーシなどによる船舶攻撃リスクを回避するため、全運航船を対象に紅海・アデン湾の通航を一時見合わせることを決めた。3社を合わせた運航規模は2000隻強に上り、喜望峰回りへの迂回(うかい)を強いられることで航行日数が約10日増加する。自動車船やガス船、バルカー、タンカーなど幅広い船種で船腹需給の引き締めが見込まれる。 3社の決算資料によると、昨年9月末時点の運航規模は日本郵船818隻、商船三井818隻、川崎汽船432隻。 3社の定期船事業統合会社オーシャンネットワークエクスプレス(ONE)が運航するコンテナ船以外では、紅海・アデン湾を通航する船種は自動車船やLNG(液化天然ガス)船が多く、邦船社の運航・営業担当者は荷主などとの調整に追われているようだ。 紅海周辺では昨年11月以降、フーシによる船舶へのミサイル・ドローン(小型無人機)攻撃が30回近く発生。フーシはイスラエルによるパレスチナ自治区ガザ地区への攻撃の停止を求めている。 米英軍は今月11日、船舶攻撃の阻止を目的にフーシ支配地域への空爆を開始。フーシの報道官は12日の会見で空爆に報復する姿勢を強調し、紅海・アデン湾での緊張感が高まっている。
日本海事新聞社