ランチ1人前3000円オーバーでも予約ですぐ満席になる店。「浅草『ちんや』」で絶品すき焼きを喰らう!
浅草で何か高級料理を食べたいと思った際に、まず筆頭に上がるのがすき焼きです。エリアには「米久本店」「浅草今半」「今半 別館」「今半 本店」など老舗の名店があるほか、新進気鋭の若い店、安さや食べ放題を売りにした店など複数あります。 【ご飯もお酒も進む「ちんや」すき焼きのお肉】 そんな中でも、浅草最古という144年もの歴史を誇るすき焼き店として知られるのが「浅草『ちんや』」(以下、「ちんや」)です。現在の「ちんや」は、浅草寺の北東にある言問橋西交差点付近にあり、浅草駅からは少し離れた場所にありますが、創業当初から現在の6代まで受け継がれた「味へのこだわり」によって、昼夜問わず連日行列が絶えない絶大な支持を誇っています。 ただし、ランチでも1人前は3000円オーバー。前述の他店よりもリーズナブルに提供してくれているとはいえ、庶民にはやや臆する金額帯でもあります。果たしてそのお味はどうでしょうか? 今回は思い切ってランチの「お昼のすき焼きセット(楓)」8800円をオーダー。その中身に迫ります。
大正ロマン風の内外観は「すき焼き」にピッタリ
浅草駅を降り、歩くこと約10分ほど。浅草駅周辺の商店などが少なくなったところに「ちんや」があります。正直少し遠い感じもありますが、しかしいわゆる観光客向けの商店のない、ごく普通の浅草の雰囲気を道中で感じられることを合わせて考えれば、十分な散策とも言えるように思いました。 「ちんや」に辿り着き受付の方に促され、靴を脱いで店内へ。店の中は、飲食店というより大正ロマン風の豪邸のような作りで、これがまた渋くてカッコ良いです。 聞けば、元々「ちんや」は浅草駅周辺に店を構えていたものの老朽化で建て壊しに。以降、このビルに移転し大正ロマンをイメージして改装。改めてリスタートしたとのことです。 筆者個人的にはこの「大正ロマン」というのも実は「すき焼き」ともマッチするように思います。 諸説ありますが、日本では幕末まで牛肉を口にする慣習はなく、東京でも親しまれるようになったのは明治時代後半。庶民に浸透したのが明治時代末期から大正時代という説を正しいとすれば、大正ロマン風の「ちんや」の内外観はまさにピッタリ。144年も守り抜かれた矜持を表しているようにも感じます。