門倉有希さん、乳がんで死去 ハスキーボイスの演歌歌手、98年「ノラ」80万枚ヒット&96年には「女の漁歌」で紅白出場 夫の金田大さん「今週頭に体調が悪化し入院」
「ノラ」のヒットで知られる演歌歌手、門倉有希(本名・金田充恵)さんが6日午前5時30分、乳がんのため死去した。50歳だった。1994年にデビューし、個性的なハスキーボイスを武器に活躍したが、2019年に乳がんが発見されて状況は一変。22年に一切の活動を休止して治療に専念するも力尽き、帰らぬ人となった。13日に葬儀・告別式を執り行う。 【写真】ハスキーボイスでファンを魅了した門倉さんが帰らぬ人に…=1996年 5年4カ月にも及ぶ闘病生活の末、不世出の個性派シンガーが静かに天国へ旅立った。 個人事務所代表で夫の金田大さんが7日、サンケイスポーツの取材に応じ「自宅療養を続けていましたが、今週頭に体調が悪化し入院していました」と告白。6日早朝に容体が急変した連絡が病院から入り、「急いで向かいましたが間に合いませんでした」と悔しさをにじませた。 金田さんによると、門倉さんは2019年2月に体調不良で倒れ、緊急入院。精密検査を受けた結果、乳がんを患っていることが発覚した。 その後も治療を受けながらステージに立った。医者から止められながらも故郷の福島・須賀川公演を強行したことも。22年12月に体調悪化で一切の活動を休止し、その後は入退院を繰り返した。 今年はデビュー30周年で再びステージに立つことを夢見たが、かなわず。22年10月発売のシングル「幸せの分かれ道」のプロモーションで同11月に行ったイベントが最後の音楽活動となった。 門倉さんは1994年に「鴎…カモメ」でデビュー。一度聴いたら忘れないハスキーかつ圧倒的歌唱力で当時の新人では実力が抜きんでていたが、失踪騒動で新人賞は水の泡に。騒動の真実については2016年のTBS系「爆報!THEフライデー」で自ら激白。デビュー前に知り合った同い年の男性と同棲していたが、束縛が強くなり監禁されていたという。 翌95年に当時の事務所社長に「もう一度歌わせてほしい」と直訴して復帰。96年の「NHK新人歌謡コンテスト」で「女の漁歌」を歌いグランプリを獲得し、同年の紅白歌合戦に初出場した。 98年には木下結子の隠れた名曲「ノラ」をカバーして80万枚のヒットに。バラエティーでは独身をネタにしていたが、乳がんを患った19年に交際していた金田さんと結婚。3年前に個人事務所代表に迎え、夫婦二人三脚で病気と闘っていた。