観光客向けタクシー不足解消へ 三重・志摩市でライドシェア実証事業
タクシーが不足するなか、一般の運転手が有料で客を運ぶ「日本版ライドシェア」(自家用車活用事業)について、三重県志摩市が7月、実証事業に乗り出す。主に観光客の移動ニーズに応えるのが狙いだ。 【写真】近鉄鵜方駅前で客を待つタクシー。観光客からは「タクシーがなかなかつかまらない」という声が上がる=2024年5月24日夜、三重県志摩市、高田誠撮影 ライドシェアは米国や中国など世界各地で行われ、利用したい人はスマートフォンなどの配車アプリで予約する。路上での呼び止めはできない。日本版ではタクシー会社が運行を管理し、責任を負う。国土交通省が3月に制度を公表した。 志摩市は夏季の7~9月にかけての2カ月間、午後6時~午前0時に3台を運行する実証事業をする。タクシー会社は運転手を5人程度募集する。使っていないタクシー車両の活用が考えられるという。利用料金はタクシーに準じ、あらかじめ設定された料金をキャッシュレスで決済する。 伊勢志摩国立公園に含まれている志摩市の観光入り込み客数は2023年は約388万4千人だった。前年比8%増で、コロナ禍前の19年の93%まで回復している。 一方、タクシーは運転者のなり手が不足するとともに、燃料費といった運行コストが上がるなどして運行台数も低迷気味だ。県タクシー協会によれば、23年度末の県内の運転者数は1253人(うち志摩市は42人)、協会員の台数は1038台(同41台)。18年度末と比べて台数は9割、運転者は8割程度まで減っている。
朝日新聞社