旧日本陸軍の戦闘機「飛燕」まつわる映画製作へ 岡山・浅口市などで撮影、ものづくりの情熱や平和の尊さ訴える
第2次世界大戦で使用された旧日本陸軍の戦闘機「飛燕(ひえん)」にまつわる、ものづくりへの情熱や平和の尊さを訴えるオリジナル映画「HIEN」の製作発表会が2日、岡山県浅口市内で行われた。末次成人監督(47)は「良いものをつくりたいという思いには、敵も味方もない。ただの戦争映画ではなく、国を超えて人と人がつながっていくために、できることを考えるような作品にしたい」と抱負を述べた。戦後80年の2025年秋から浅口市などで撮影し、26年の公開を目指す。 戦時中に飛燕を設計した土井武夫さん(1904~96年)、県出身で飛燕のエースパイロットだった垂井光義大尉(15~44年)、2017年に海外から飛燕の機体を入手し復元模型とともに浅口市内で公開しているバイク部品製造「ドレミコレクション」社長の武浩さん(60)=倉敷市=の3人を中心とした群像劇。発表会に同席した武さんは「日本の製造の力を顕彰し、世代を超えて日本中を力づける映画になると思う」と話した。 浅口市は、映画製作費を支援するため、企業版ふるさと納税で1億5千万円を目標に寄付を募る。栗山康彦市長は「命の大切さを考えさせ、全ての人に愛される映画になるよう協力してほしい」と呼びかけた。 末次監督が県内で長編映画を撮影するのは、備前焼をテーマにした「ハルカの陶(すえ)」(19年)以来。