出張先で夫が不倫。それでも離婚しないのは「私にないものを夫は求めていた」
30代、自分の人生は「セカンドシーズンに突入した」と考えた
――不倫が発覚して1か月ですが、今は再構築に向けてどのように動いていますか? 不倫が発覚してから私の人生は「セカンドシーズン突入だ」と思うようにしています。「ファーストシーズン」は、恋愛をして、結婚して出産。「セカンドシーズン」は、家庭を再構築し、“自分の人生”を築くんだ、という気持ちです。 ――不倫をきっかけに区切りをつけたのですね。 そうですね。「ファーストシーズン」を振り返ってみて、私が“幸せな家庭”だと思っていた日々を夫はどう感じていたのだろう、と考えました。恋愛、結婚、出産をし、好きな仕事もしていて、はたから見れば“幸せな家庭”かもしれません。私もそう思い込んでいました。 でも、結婚し、妊娠・出産してから夫とはレスだったし、仕事に追われ、デートもしない。毎日夫に晩御飯をつくって、弁当をわたすルーティン。それは妻ではなく、“母親”のポジションではないかと気付きました。 ――夫サイドの気持ちも考えたのですね。 はい。もちろん夫サイドの気持ちを考えたとしても、怒りが消えることはありませんでした。それに夫の不倫相手は私とルックスも性格も真逆のタイプ、私にないものを夫は不倫相手に求めたんです。 夫の立場に立って考えた後、夫婦で冷静に話しあう機会を持ちました。その時、はじめて本音で語りあえた気がしましたね。 そして、もっと早く本音で話し合うことができていたら、不倫を防げたかもしれないとも思いました。
弱った気持ちの整理に大切なのは「専門家に頼ること」
――その後、どうなりましたか? 再構築を決めたとしても、すぐに心の穴は埋まりません。そんな時、今までは一切気にしていなかった街中の新興宗教の勧誘が目に留まるようになりました。 ――失恋や離婚をきっかけに、新興宗教に助けを求める話も聞きますよね。 これまで宗教にハマる人のニュースを見ても「なんでハマるんだろう」なんて思っていたけれど、今なら神にすがりたくなる気持ちがわかります。 ――心が弱っている時にスーッと入り込んでくる、ということですね。 そうですね。危険な心理状況だなと思いました。さらに、大好きな仕事を休んでしまうことも増えました。 「ヤバいかも……」と思い、プロに頼ることにしました。夫婦や男女関係専門のカウンセリングを使って、話を聞いてもらいました。知り合いの弁護士に、慰謝料についての相談もしました。 ――専門家に頼ってみて、どう感じましたか? 不倫が発覚し友人に相談した時、親身になって話を聞いてくれ、私以上に考えたり、怒ったりしてくれ、すごく頼りになりました。でも結局、愚痴を友人やSNSに吐き出しても解決策は見つかりません。専門家に話を聞いてもらうことが何よりも重要だと感じましたね。 プロに相談して、今後の夫婦関係について、とてもクリアになったのを覚えています。 ――今後のことを教えてください。 今後は夫と話し合う時間やデートをする時間を積極的に作りたいと思います。 ぽっかり空いた心の穴は、まだ完全に埋めることはできません。時間はかかるかもしれないけれど「人生セカンドシーズン投入!」という気持ちで、30代も楽しんでいきたいですね。
取材・文/毒島サチコ