『ザ・ファブル』のゲームはマンガを読む順に行動するデッキ構築型ローグライクRPG。流れるような“殺し”の手順が決まると「プロやな──」【TGS2024】
2024年9月26日~9月29日、千葉・幕張メッセで東京ゲームショウ2024”(TGS2024/9月26日、27日はビジネスデイ)が開催。インディーゲームコーナーの講談社ゲームクリエイターズラボブースでは、2025年発売予定の『ザ・ファブル Manga Build Roguelike』の試遊台が出展されていた。 【記事の画像(14枚)を見る】 ブースではステッカーが配布された。マンガの1ページ&ゲームシステムをまとめた秀逸な1枚。 あ── ファブルのゲームや 南勝久先生によるマンガ『ザ・ファブル』は、“殺し”を禁じられた最強の殺し屋が、一般社会に溶け込むために奮闘する人気作品。実写映画やアニメ化も果たしており、原作の連載は続編を含めて終了している。 そんな『ザ・ファブル』がついにゲーム化。Nintendo SwitchとPC(Steam)での発売を予定しており、ジャンルはまさかのローグライクだ。 初報の段階から“マンガのコマを使ったローグライク”といった紹介がされており、どんなゲームなのかとても気になっていたところ、今回“TGS2024”で試遊台が設置されたので、実際にプレイしてみた。 試遊版はゲームのシステムが垣間見えるくらいで、数ステージだけが遊べる仕様。ローグライク的なシステムも少しだけ体験できるものの、デッキ構築やサバイバル的部分の本質的な部分には触れられなかった。 なるほど~~~ おもろいな── ゲームは主人公の佐藤 明(偽名)が、マスに分かれたステージを進んでいきながら、敵を倒していく。デッキ構築系ローグライクではオーソドックスなシステムだ。ステージごとにルートがあり、枝分かれしている場合はどのマスに移動するのか選択できる。 敵と戦う場合は敵を倒すことでマスを進められ、ほかにはマンガのコマ=行動カードを選んで取得できるマスも存在。また、サンマを焼くミニゲームもあった。 心の中で秒数をカウントし、サンマの焼き加減を調節するミニゲーム。 いきなり成功で、俺はプロや── 試遊では使わなかったが、お金が手に入るようだ。 メインとなるバトルが本作の特徴的な部分で、ターンごとに佐藤の行動を決めて敵を倒していく。佐藤の行動はマンガのコマによって決められ、ターンを終了すると行動予定通りに動いていく。コマを使用するコストはないが、コマを設置できる数には限りがあり、ようはマンガの1ページ内にコマを収めるようなイメージ。 コマンド(コマと掛けているのだろうか)は佐藤を前進させる移動コマンドやシンプルな攻撃コマンドなどさまざま。それぞれ1ターンごとにデッキからドローされたコマを選び、行動を決められる。ユニークなのが、行動する順番が“マンガの読み順”になっていること。つまり、右上から右下にかけて登録された順番で行動をしていく。 配置の行動順は、左上からではなく右上からカウントされる。Z字の反対を描くようなイメージ。 コマンドは多数存在する。 コマの中には“特定の行動をした後に追加効果を発揮する”ものもあるほか、コマは縦長2マスやL字型など、登録するのに工夫がいるものもあるので、1ターンごとにうまくページを作り出すのが本作の醍醐味。 佐藤は近接攻撃の場合は敵に密着し、かつ正面に向いていないといけない。後ろに敵がいる場合は、コマとは別に用意された振り向きコマンドを駆使する必要がある。また、遠距離攻撃の銃撃技は、事前に銃に弾丸を装填する必要があるが、敵との距離関係なく攻撃可能だった。 行動順番によっては効果が発動しない場合もあるので、うまく配置する必要がある。 もしかしたら製品版では、後ろに攻撃、振り向き行動を内包したコマなども登場するかもしれないが、基本はそれらのルールに沿って、ターンごとに敵を倒し切ることを目的に行動を選んでいく。 敵の体力は事前に見えているので、ダメージ計算をしながら行動を当てはめていき、ターンを終えると佐藤が行動順に沿って流れるように攻撃。うまく行動できれば、まさに伝説の殺し屋“ファブル”のように、華麗に敵を倒していくアニメーションが流れる。 「プロやな──」 つい、この一言をつぶやいてしまった。『ザ・ファブル』とローグライクRPGの組み合わせが、個人的にはいまいちピンと来ていなかったのだが、実際に触ってみると、このシステムのおかげでまさにマンガの中の佐藤のような“プロ”の動きを表現することが狙いだとすぐにわかった。 また、ダメージを受けるとマンガのページが破れてしまい、つぎのターンからその箇所にコマを当てはめられなくなる。単なる体力式ではない点もユニークだった。 俺はただ発売を待つ── プロだ! 前述の通り、試遊はゲームの仕組みがひと通り体験できるだけで、ローグライク×デッキ構築の部分の楽しさは残念ながら味わえなかった。 1回だけ漫画マスをデッキに組み入れることはできたので、なんとなくのデッキ構築部分は体験できた。 ただ、この試遊だけでも本作の魅力的なゲーム性と、『ザ・ファブル』をいかにゲーム内で表現するのか、その方向性もしっかりと感じられた。 発売は2025年内とまだまだ先になりそうだが、今後の続報などにも期待したい。あ~~~~~早く製品版── 遊べへんかな~~~~~。