PEDRO、轟音の中で弾むソリッドなアンサンブル
3月24日(日)に開催された「ツタロックフェス2024」。PEDROのライブレポートをお届けする。 【ライブ写真はこちら】 元BiSHのアユニ・D率いるロックバンド、PEDRO。ギターはNUMBER GIRL、bloodthirsty butchers、toddle等で知られる田渕ひさ子、ドラムはヒトリエのゆーまおという新体制によって、昨年夏に再始動した。 年齢もバックグランドも違う3人がゆっくりと楽器を持って、荒々しく音をぶつけ合ったと思ったら、アユニが「こんにちは! PEDROです!」と挨拶。「グリーンハイツ」のソリッドなアンサンブルでメッセを震わせた。時折、巻き舌で歌い、目をひんむき、歌と爆音を届けるアユニを筆頭に、ロックバンドとしての貫禄をどんどん見せつけていく。 アユニは「PEDROは一度活動休止して、その前にツタロックに出る予定だったんですが、コロナ禍で出られなくなってしまった経緯があるので、待ちに待った待望のツタロックです」と言った後、「私も皆さんと同じく、胸を躍らせて幕張メッセにやってきました」と言って笑顔を浮かべた。 青い照明の中、アユニが“叱られた子供のうたごえ 猫背を抱いて寝癖を撫でる”と歌うと、一転して照明が赤くなり、田渕の鋭利且つキャッチーなギターリフが轟き、アユニは楽曲に没入したかのような表情を浮かべた。「春夏秋冬」だ。どすの効いた歌声で〈君と四季を巡る巡る〉と歌うと、田渕のギターがさらに唸りを上げた。 しばしの静寂の後、アユニが「雪の街」と口にして、最後は「雪の街」。アユニの歌声と田渕とゆーまおのコーラスが交錯し、やがて3人の声は重なりひとつになった。“どうかまださよならはしないで”。すべてを漂白するような轟音が響き、3人は白い照明に包まれていく。田渕は前のめりでギターをかき鳴らし、アユニは目を閉じて気持ちよさそうに揺れながらベースを弾く。つけ入る隙のない凄まじい轟音がまるで永遠に続くかのように響き、アユニが深々とおじぎをして「ありがとうございました。またどこかでお会いしましょう」と言って、初のツタロックライブを締め括った。 <イベント情報> Vポイント presents ツタロックフェス2024 公演日:2023年3月23日(土)、24日(日) 会場名:幕張メッセ国際展示場 9・ 10・ 11ホール 主催:CCCミュージックラボ(株)/ライブマスターズ(株) 企画:CCCミュージックラボ(株) 制作:ライブマスターズ(株) 運営:(株)ディスクガレージ 特別協賛:CCCMKホールディングス(株) / 三井住友カード株式会社
Kaori Komatsu