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雪や雨が少ない影響で、岩手・花巻市の豊沢ダムでは、貯水率が24％までに低下する危機的状況となっている。このため下流では、地域を区切って交代で田んぼに水を送る「番水」を始めた。 【画像】ダムの水が少なく地面がむき出しに

貯水率24％　過去の渇水時下回る

地域に農業用水を供給している花巻市の豊沢ダム。過去30年の平均では2000トンほどある貯水量は、6月5日朝の時点で約560トン、貯水率は24％にとどまっている。これは、記録的な雨の少なさで渇水に見舞われた1973年の同じ時期を下回る貯水率だ。 この原因について豊沢川土地改良区の高橋憲幸業務課長は、「山に降る雪が少なく、4月以降も雨が少なかった。豊沢ダムの水が平年より少ない状況になっている」と分析する。 5月に行われた試算では、まとまった雨が降らない場合、6月10日には貯水率が約10％に落ちることが判明し、豊沢川土地改良区は水の供給を制限する取り組みを始めた。高橋業務課長は、「かんがいする区域を分けて、交代でかんがい用水を供給していく」と話す。

豊沢川土地改良区で初の「番水」

豊沢川土地改良区の管内では約4250haの田んぼが、豊沢ダムから水の供給を受けている。6月2日からは、管内を南部と北部のエリアに分け、定められた期間ごとに交代で水が供給されることになった。これは「番水」と呼ばれるもので、この土地改良区としては初めての取り組みだ。 水門で水を振り分けていて、北部に水が供給されているこの日は、南部の水路に水が流れていないのが分かる。 豊沢川土地改良区の管内に住む農家の斉藤陽一さん（70）は、番水が行われているため、この日は田んぼの給水状況を確認していた。斉藤さんは、「今までこんなことはなかった。初めての試みではないか。雨が降るのを願うしかないと考えている」と話す。 豊沢川土地改良区では、7月20日までにダムの貯水率が50％以上に回復すれば、番水を解除したいとしている。 （岩手めんこいテレビ）